2013.12.05 Thu

世界規模のサプライチェーンを結ぶ山九のIT戦略

山九株式会社 技術・開発本部 IT企画部 情報インフラグループ グループマネージャー 石澤 剛 氏

 国内はもとより世界規模で、ロジスティクスとプラントエンジニアリングを核に事業を展開する山九株式会社。同社技術開発本部の石澤剛に世界戦略を支えるIT活用法を聞いた。

 

国境を越えたサプライチェーンを結び物流を“見える化”

――御社の事業戦略を実現する上でITはどのような役割を果たしているのでしょうか。

 当社の事業は、物流と機工(プラント事業・メンテナンス事業)に大きく分かれていますが、特に物流はシステムがないと成り立たないほど事業とITが直結しています。そもそも物流事業は、輸出入の申告から在庫管理まですべて紙ベースでおこなっていましたが、徐々に倉庫システムや輸送システムといった形で個々の機能がシステム化されていき、現在では、その点と点をつなぐサプライチェーン全体をシステムで網羅し、“見える化”しています。

――昨今では、JIT(Just in Time)やBTO(Build to Order)など、販売と生産を相互連携させる仕組みが求められ、ますます物流システムの重要性が増していますね。

山九株式会社、技術・開発本部 IT企画部 情報インフラグループ グループマネージャー、 石澤 剛 海外でもミルクランといって1台のトラックが部品工場をまわり、在庫を抱えないJIT方式に取り組む企業が増えています。我々は、そういったお客さまの事業に生産工程から参画し、システム化や物流改革のパートナーとして事業を展開しています。以前のように、単に物を受けて出すだけではなく、お客さまのコアビジネスまで踏み込み、一緒にビジネスを展開するビジネスパートナーになることを目指しています。

――近年では、サプライチェーンが海外にまで拡大し、物流の管理は一層難しくなっているのではないですか。

 そうですね。近年では日本から材料を輸出して中国で組み立て、また日本に戻すというオペレーションが増えています。そのようなプロセスでは、国内の山九、海外の現地法人、お客さま、サプライヤーとの間でどれだけ情報を密にできるかが重要になってくるので、ますますITが欠かせません。

 

お客さまのニーズに応じた柔軟なシステム間連携

――御社の物流システムは、すべて独自開発されているのですか。

 物流システムの企画、開発は100%出資の情報子会社インフォセンスが担当しています。これまでは基本的にスクラッチでシステムを開発し、オンプレミスで運用してきました。しかし、近年はあらゆる面でスピード化が求められており、すべて自前主義というのは難しい状況です。実際、現在取り組んでいる国際系物流システムの刷新では、約半分はパッケージを採用してコストや期間を短縮しています。

――サプライチェーンの管理には、メーカーやサプライヤーが持つ既存の在庫管理系や生産管理系システムと御社のシステムを連携させる必要があると思うのですが、設計思想の異なるシステム間連携は相当な技術力が求められますね。… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

石澤 剛(いしざわ つよし)
1972年、神奈川県出身。1995年に入社し、横浜支店輸出入グループ、国際関係の業務を経て2001年よりIT部門。
◎情報収集術
IT系情報サイトに登録しメールマガジンを購読、IT関連の本、セミナーも活用。最新情報はSIerから収集。
◎コミュニケーション術
事業部間の定例会で情報交換。メールではなく顔を合わせたコミュニケーションを重視。
◎ストレス解消法
週1回のスポーツクラブとお酒を飲むこと。

山九株式会社について
■ 事業内容一般港湾運送事業、貨物自動車運送事業、国際物流事業、倉庫事業、機工事業など幅広い物流サービスを提供
■ 設立年月1918年10月1日
■ 本社所在地東京都中央区勝どき6丁目5番23号
■ 資本金286億19百万円
■ 従業員数10,056名 [連結27,947名](2013年3月現在)
■ 業種陸運業
■ ホームページ

http://www.sankyu.co.jp/

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter