Bizコンパス

IT戦略を語る
2013.11.28

外食産業で勝ち続けるモスバーガーのIT戦略

株式会社モスフードサービス 経営管理部長 永井 正彦 氏

株式会社モスフードサービス,経営管理部長,永井正彦

 創業以来40年にわたり外食業界の勝ち組であり続ける「モスバーガー」。モスバーガー事業を展開するモスフードサービスの経営管理部長である永井正彦に話を聞いた。

 

「おいしさ」や「安心・安全」もITによって支えられている

――モスバーガーにおけるITの変遷を教えていただけますでしょうか。

 モスバーガーは1972年にスタートし、翌年からFC(フランチャイズ)事業を展開しましたが、当時はPOSもなくすべての受発注に電話で対応している状況でした。その後、80年代後半から90年代にかけて店舗数が数百から一千店舗へ急拡大する時期で、ITの本格的な導入に踏み切りました。1999年には、全店の情報を本部に集約するためバラバラだったPOSを統合。これを機に、液晶パネル式のPOSレジを導入し、注文と同時に厨房へオーダーが流れる仕組みで店舗のオペレーションを改善。また、POSの売り上げデータや発注データを処理する基幹システムを構築。さらに、情報共有ポータルサイト「e-mossles(イーモッスルズ)」を構築し、店舗、FC、店舗指導にあたるSV(スーパーバイザー)、それぞれが必要な情報を共有できる環境を整えました。

――物流側のITも併せて構築されたのでしょうか。

株式会社モスフードサービス,経営管理部長,永井正彦 当時は全国7、8カ所の倉庫に委託していたため、1カ月単位でしか在庫状況を把握できませんでした。定番商品中心の頃はそれでも何とかなりましたが、年に5~6回キャンペーンを打つ時代になると、そうはいきません。タイムリーな在庫管理ができないと、欠品の恐れがあります。これではまずいということで、POSで集めた情報をもとに各倉庫から当社専用の納品書を発行する全国統一の物流システムを構築。その納品書を起点に、各店舗の検品結果が即座に本部へ上がる仕組みを実現しました。これにより全国の在庫情報を一元管理できるようになりました。

――店舗ではその日に使っている野菜の産地や生産者を黒板に記載していますよね。生鮮野菜など在庫が難しい食材は、どのように管理しているのですか。

 1997年に創業者の櫻田慧が、肉はオーストラリア産の自然放牧100%、生野菜は減農薬・減化学肥料の国産野菜を使う「新価値宣言」を掲げました。これを機に、社内に農業専門のアグリ事業部が発足、全国の契約農家から野菜を調達できる体制を整えました。このとき問題になったのがトレーサビリティでした。企業として減農薬・減化学肥料を打ち出す以上、生産者からの自己申告に頼るわけにはいきません。どの野菜に何の農薬をどれだけ使ったのか、きちんと管理する必要があったのです。当初は、担当者が手作業で台帳を付けていましたが、だんだん追い付かなくなり、パソコンで管理しましたがそれも難しくなり、2003年頃システム的にサポートしてほしいと要望がありました。そこで、野菜ごとの農薬使用量や散布頻度などを、国の規定を参考にして独自に設定し、個別管理できる仕組みを開発しました。これにより、食材のトレーサビリティが可能になり、安心・安全な野菜を供給できるようになったのです。
 なお、収穫した野菜は、その日のうちに集荷業者の元に集められ、発注に応じてどこの農家の野菜が出荷されるか決定します。そのデータを受けて本部が出荷指示を返すと、生産者情報を記載した紙が出力され、これを野菜に添付して店舗へ運んでいます。店舗スタッフはその紙を見て、野菜の産地と生産者を確認し、毎朝、黒板に記載しているのです。

――「おいしさ」や「安全」もITに支えられているんですね。ところで、農作物は気候条件や病害など予期せぬ要因で収穫量が変動しますが、そのリスクをどうマネジメントしているのでしょうか?… 続きを読む… 続きを読む

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永井 正彦(ながい まさひこ)
1958年長野県出身。吉野家、ダイエー外食事業を経て、1990年1月にモスフードサービス入社。
◎情報収集術
 日経の雑誌を購読、ネット情報やセミナーも活用。一番の情報源は営業マンに会うこと。飛び込みの営業にも時間があれば極力会うようにしている。
◎コミュニケーション術
 メールは嫌い。できるかぎり会って話す、これに尽きる。
◎ストレス解消法
 問題を自分の中に貯めず、すぐ報告、早く手放す。会社を離れたら会社のことはすぐ忘れる。

株式会社モスフードサービスについて
■ 事業内容 フランチャイズチェーンによるハンバーガー専門店
「モスバーガー」の全国展開、その他飲食事業など
■ 設立年月 1972年7月21日
■ 本社所在地 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 4階
■ 資本金 114億1,284万円(平成25年3月末現在)
■ 従業員数 1,166人(平成25年3月現在)
■ 業種 卸売業
■ ホームページ

http://www.mos.co.jp

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