ITで変わる業界のルール

今秋から本格運用がスタート「IT重説」って何?

2017.11.30 Thu連載バックナンバー

 2017年10月より、「IT重説」の運用が開始されています。これは「重要事項説明のオンライン化」の省略形で、建設業界・不動産業界で注目されているワードのひとつとなります。

 不動産業者は、売買契約や賃貸借契約などの契約を顧客と締結することに先立って、契約する物件の詳細を相手方に書面をもって説明しなくてはいけません。これを重要事項説明(重説)といいます。その説明書は重要事項説明書といい、土地や建物の面積から、建物構造(たとえば、木造や鉄筋コンクリート造など)の詳細まで記載されています。

 従来は、こうした書面は宅地建物取引士の有資格者が、その資格証を相手方に提示しながら、対面で内容を説明することが法律で義務付けられていました。しかし、ITの発達によりわざわざ対面で重説を行う必要性が疑問視されるようになり、社会実験を経たうえで、今年の10月1日よりIT重説の本格運用が始まりました。

 現在は、賃貸借契約における借主への重要事項説明に限られていますが、今後はどのように変化していくのでしょうか。IT重説の課題と展望を解説します。

 

ITを用いた重要事項説明とは?

 IT重説には、いくつかの手順があります。まずは宅建業者が、事前に借主に対して、宅地建物取引士が記名・押印した重説と添付書類を送付します。そしてIT重説の開始前に、担当の宅地建物取引士が、借主側に送付した書類がすべて揃っていることを確認し、借主側の映像や音声の状況を確認します。

 宅地建物取引士はその後、宅地建物取引士証を画面上で提示し、借主が認識したことを確認してから説明を開始します。説明中に映像や音声に支障をきたした場合には、説明を中止し、支障が解消できた段階で説明を再開します。

 一通りの説明が完了した時点で疑問点などがなければ、借主が手元にある重要事項説明書に記名・押印をします。最後にその書面を借主より業者に送付して手続きは完了です。これがIT重説の基本的な流れです。

 重説のIT化は、数年前より社会実験が行われていました。特に賃貸取引については実施件数も多く、目立ったトラブルも発生しなかったために、今回の運用開始に至りました。

 

IT重説の本格運用によって何が変わるのか

 IT重説が導入されることで、不動産業界で働く人と、ユーザーの双方にメリットがあります。なぜなら、… 続きを読む

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寺岡 孝

寺岡 孝

アネシスプランニング(株)代表取締役 住宅コンサルタント・住宅セカンドオピニオン

大手ハウスメーカーに勤務した後、2006年にアネシスプランニング(株)を設立。住宅の建築や不動産売買、不動産投資や保険・住宅ローンなどに関するあらゆる場面において、顧客を主体とする中立的なアドバイスおよびサポートを行っている。

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