「空飛ぶクルマ」はもはや夢物語ではない(第2回)

米ウーバー社が開発「空飛ぶタクシー」の勝算は

2017.11.11 Sat連載バックナンバー

 朝起きてゆっくりコーヒーを飲み、空を飛んで会社に行く。そんな時代が近づいています。

 2017年4月25日、アメリカのウーバー社は「空飛ぶタクシー」の試験飛行の計画を発表しました。アメリカのテキサス州と中東ドバイが連携して、2020年までに試験飛行を実施する計画です。ウーバー社は既にNASAの技術者を引き抜き、本格的な開発に着手しています。

 空飛ぶクルマの開発については、前回紹介したように、トヨタ自動車を始めとする世界的大手企業が次々と乗り出しています。ヨーロッパ大手航空機メーカーのエアバス社や米グーグルの共同創始者ラリー・ペイジ氏が投資するキティ・ホーク社などが、実現化に向けて熾烈な競争を繰り広げています。

 世界各国で開発が進む中、いち早く空飛ぶクルマのビジネスを実現するのはどこの企業でしょうか。今回は、アメリカのウーバー社の取り組みを紹介し、その課題と勝算を分析します。

 

なぜ広いアメリカで空を飛ぶ必要があるのか?

 「空飛ぶタクシー」と聞くと、羽が生えた車をイメージするかもしれませんが、実際は小型のヘリコプターのような形をしています。ヘリコプターと同じように垂直に離着陸することができ、空中で停止することもできます。正式名称は、「垂直離着陸機(VTOL)」と言います。

 垂直に離着陸できるため、高層ビルが立ち並ぶ都市部での乗り降りに優れています。何より、渋滞を気にする必要がないため、移動時間を極限まで短縮できます。現在のデザイン案によると、最大で4人まで乗車できます。

 料金については、ウーバー社は既存のタクシーと同等の料金体系を予定しています。乗客4人で料金を割り勘することで、一人当りの負担を低く抑える方針です。さらに、将来的には自動運転で無人化することを計画しており、運転手のコストを削減することでさらに安価な料金プランを提供する予定です。

 しかしなぜ、広大な土地を持つアメリカで、空飛ぶタクシーが開発されているのでしょうか? アメリカは日本よりも道が大きく、無料の高速道路も充実しているにもかかわらずです。

 理由のひとつに、… 続きを読む

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田中 靖子

田中 靖子

法律家ライター

東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、会社設立等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行っている。

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