日本企業が欧州に進出する際に気をつけたいこと(第1回)

日本にとって「EU」はどういう市場なのか?

2017.09.13 Wed連載バックナンバー

 2017年7月6日、日本と欧州連合(EU)は「日欧EPA」の大枠合意に達し、日本とヨーロッパの結びつきがまた強くなろうとしています。

 しかし、欧州市場にこれまで進出していない日系企業にとっては、まだまだ未知の地であることに変わりなないでしょう。特に欧州は現在、Brexit(欧州連合からのイギリス脱退)の交渉過程で、イギリスを含めた域内でのビジネスの見通しは混迷状態にあるとも見て取れます。

 今回では、EUは現在どのような状況にあり、日系企業にとってどのような存在なのか、その最新事情を探ります。

 

EUは日本にとって最大規模のビジネスパートナー

 EUには、現在離脱交渉中のイギリスも含めると28か国が加盟しており、その市場規模は5億人、名目GDPは16.5兆USドルに達し、世界の総GDPの2割以上に当たります。2013年からのGDP成長率は0.3~0.8%で推移しており、2017年1四半期の成長率は0.6%でした。

 1993年1月1日にEC域内の国境通関が撤廃されてから、EU域内における供給および購入に“輸出入”という概念はなくなり、関税賦課はなくなっています。対EU貿易も、開かれた貿易制度のおかげで、世界貿易の最大の担い手として、2015年には世界の物品貿易の14.8%、サービス貿易(金融・運輸・通信・建設・流通・娯楽等の国際間のサービス取引)では22.2%を占め、世界の良好な貿易相手であり続けているといえます。

 日本の対欧投資額は、2007~8年の世界金融危機と、2010年の欧州債務危機の間は低迷していましたが、その後の2011年からは堅調な伸びを見せています。2016年の対欧投資額合計は703億USドル(約7.7兆円)と、対米への合計(522億USドル、約5.7兆円)を上回る結果となっています。

 加えて、EUにおける日系企業の収益率も、高水準を維持しています。JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)が毎年12月に報告する日系企業活動実態調査によると、2016年における欧州全体の営業利益は、… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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