新基準で変わるものとは

自動車の新しい燃費値「WLTCモード」とは何か?

2017.09.13 Wed連載バックナンバー

 自動車を購入する際の判断材料として、「燃費」というデータがあります。この燃費の表示方法が、2018年10月より、より実走行に近い数値へと切り替わる予定です。これまでと比べて、何がどのように変わるのでしょうか。

 

車のカタログ燃費は何のためにある?

 自動車メーカーやディーラーの広告では、「リッター○○km」といったように、自動車の燃費性能が数値で表示されています。

 車業界で「カタログ燃費」と呼ばれているこの数値は、実走行時の燃費とは一致しません。なぜならカタログ燃費は、実際に公道を走行して算出した数値ではないためです。

 カタログ燃費は、2017年現在はほぼすべての車が「JC08」というモード(負荷)で計測されています。その測定方法は、測定器の上に車のタイヤを載せ、市街地や高速道路を想定した負荷をかけて算出するというもの。あくまでも研究所内での測定値のため、実走行した場合の燃費値とはどうしてもズレが生じてしまいます。

 業界団体「日本自動車工業会」の資料によると、実走行燃費はJC08モードで測定されたカタログ燃費値より平均で2割ほど低くなるとされています。

 

日本独自の指標を世界基準に

 このカタログ燃費と実走行燃費の乖離を是正するため、国土交通省は新たなカタログ燃費の測定方法である「WLTCモード」の導入を、この夏に決定しました。

 従来のJC08モードは日本独自の規格ですが、WLTCモードは正式名称を「Worldwide harmonized Light duty driving Test Cycle」といい、ヨーロッパ主導で作成された世界基準のテストモードです。わかりやすくいえば“世界基準”に合わせる、ということになります。

 実は日本でも、すでにいくつかの車種で同データは導入されていますが、2017年9月現在は移行準備期間となっており、現在はJC08モードのデータだけを取得・表示していれば問題ありません。ですが、2018年10月以降に発売される新型車両については、WLTCモードの取得が義務化され、2020年9月以降はWLTCモードに一本化される見込みです。

 

なぜ同じ車で4つの燃費値がある?

 このWLTCモードの最大の特徴が、… 続きを読む

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鮫島 涼

鮫島 涼

株式会社ネクストアド所属の車ライター。車・バイク雑誌の編集者、車広告の審査会社を経てライターとして活躍。現在は、F1の取材や大手中古車販売企業メディアのライティングを担当。

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