新たなフィンテックが巻き起こす波紋(第3回)

時間を売買「タイムバンク」に見る“評価”の価値

2017.11.03 Fri連載バックナンバー

 クリエイターや経営者など、さまざまな専門家の「時間」が買えるアプリが登場しました。9月に株式会社メタップスがリリースしたアプリ「タイムバンク」です。

 タイムバンクで専門家の時間を購入すれば、その時間内で相談や取材、講演などを依頼できます。購入した時間はすぐに使わなくても、長期間保有しておけます。不要になれば他人に売却もできます。

 このようなアプリが登場した背景には、社会が“評価”を価値基準にし始めていることがあるかもしれません。タイムバンクの仕組みやリリースした目的、今後の可能性を探ります。

 

「時間」を取引する仕組みとは

 タイムバンクのコンセプトは「時間の取引所」。ユーザーは10秒単位で、専門家が売り出した時間を売買できます。

 たとえば、専門家に相談したいことがある場合、ユーザーは時間を購入し、相談する時間を獲得します。購入した時間は、講演依頼やランチ・ディナーへの同席、オンラインチャットによる質問などにも利用できます。既にクリエーターや経営者からアスリート、アイドルまで20人以上のさまざまな分野の専門家が登録されており、今後も数を増やしていくことが見込まれます。

 専門家の価格は秒単価で表示されます。この単価は、専門家がタイムバンクに登録する際に、SNSの登録情報から「影響力の偏差値」が算出されます。“初値”はこれをもとに決定され、あとは株式同様、人気があれば単価は高まっていくことになります。

 10月現在で最も秒単価が高いのはLINE株式会社上級執行役員の田端信太朗氏で、初値は77.8円/秒でしたが、既に220円/秒あたりを推移しており、登録から1カ月程度で約3倍の値を付けています。

 なお、算出された影響力の偏差値が基準以下の場合は、専門家として登録できません。さらに基準以上であったとしても、個別の審査があります。タイムバンクでは、このようにして専門家の信頼性と質を担保しています。

 

その時間で何をするかはユーザー次第

 この「他人の時間を購入できる」「登録ユーザーの時間を買い上げて利用するサービス」というプラットフォームを採用したビジネスは、タイムバンクが初めてではありません。… 続きを読む

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小山田 明人

小山田 明人

株式会社ネクストアド代表取締役

1982年生まれ。神奈川県横浜市出身。「食えるライターを育てる」をビジョンンに掲げライティングチームを結成、ビジネス、ITを中心に様々なコンテンツに記事を寄稿。自身でもスクールキャッチという教育系ポータルサイトを運営する。経営する学習塾では中高一貫校の作文指導に携わる。http://www.nextad.co.jp/

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