緻密な分析が顧客の心をつかむ

USJが毎年値上げをしても来場者が増え続ける理由

2017.08.02 Wed連載バックナンバー

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は2017年まで8年連続で入場料を値上げしています。この2月には、従来の7,400円から7,600円へと値上げされました。

 一般的に、価格を上げると販売数は減ると考えられますが、USJは毎年の値上げにも関わらず、来場者数も過去最高を更新し続けています。

 値上げが苦手と言われる日本社会の中で、なぜUSJは値上げと来場者数増を両立できているのでしょうか。その理由を、消費者心理という側面から分析していきます。

 

値上げ後も来場者増のUSJ、来場者減のTDR

 国内2大テーマパークの東京ディズニーリゾート(TDR)とUSJは、共に2016年度に一日フリーパスの値上げを行いました。

 USJの値上げは8年連続、TDRは3年連続の値上げで、2009年には共に5,800円だったTDRとUSJの一日フリーパス料金は、現在TDRが7,400円、USJが7,600円となっています(TDRは東京ディズニーランドもしくはシーどちらか一方に入場可能)。

 しかし、値上げに対する消費者の反応は、USJとTDRで大きく異なっています。

 USJは度重なる値上げにもかかわらず、入場者数は増加の一途をたどっており、2009年度に約900万人だったところ、2015年度は約1,390万人、2016年度には約1,460万人と過去最高の入場者数を更新し続けています。

 一方のTDRは、3年連続の値上げが、来場者減という結果に直結しました。2016年度のTDRの入場者数は2年連続の減少。2017年度もこのまま減少傾向が続くと予想されており、5年振りに入場者数が3000万人を割り込む見込みとなっています。このためTDRは、2017年4月時点での値上げを見合わせ、入場料金を据え置く決断をしています。

 

来場者増の秘訣は「好意度を上げ続けること」

 なぜUSJは、値上げと来場者数増を両立できているのでしょうか。

 その理由について、2010年以降USJのマーケティングを統括し、8年連続の値上げと来場者増を主導した森岡毅氏と今西聖貴氏は、… 続きを読む

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前野 智子

前野 智子

フリーライター。大企業・ベンチャー双方での就業経験や海外でのビジネス経験を活かし、ビジネス関連記事やインタビュー記事等の執筆を手掛ける。

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