歴史から学ぶバブルの仕組み(第1回)

なぜ「バブル」は繰り返されるのか?

2017.05.18 Thu連載バックナンバー

 アベノミクスによる金融緩和によって株価や国債価格が上昇し、さらに2020年東京オリンピックに向けての不動産投資ブームが起こっています。また、第4次産業革命とも呼ばれる人工知能・IoTブームも熱を帯びています。

 しかしながら、こうした経済の活性化が、一部では「バブル」ではないかと指摘されています。バブルは決して過去のものではなく、現在でも起こりうるものです。

 そこで今回は、バブルとはいったい何か、どうやってバブルが起こるのか、バブルの過去の歴史を紐解き、現在のビジネスに潜むバブルとは何かを探っていきます。

参考文献:『バブルの歴史:チューリップ恐慌からインターネット投機へ』エドワード・チャンセラー著

 

「投資」と「投機」は何が違うのか

 バブルか否かを区別するためのキーワードは、「投資」と「投機」です。いずれも未来の利益のために、何らかの事業に資金をつぎ込むという点では共通していますが、投資は実体の経済活動に対して長期的に資金を供給する行為、投機は短期的でギャンブル的な経済活動という点で違いがあります。

 何が投資で、何が投機であるのかという問題は、古くから経済学者を悩ませてきました。1930年代に活躍した経済学者のケインズは、投機は一見経済を活性化しているように見えて、実は経済にダメージを与える要因となると指摘しています。「企業活動の着実な流れに浮かぶバブルは害にならないが、企業活動が投機の渦巻きに浮かぶバブルになれば、深刻な事態になる。一国の資本の発展がカジノの活動の副産物になったとき、資本の発展はうまくいかなくなる」というのです。

 つまり、実体のある企業活動ではなく、投機(=ギャンブル)によって経済が活性化しているときに、危険が潜んでいるということです。

 また、同時代の経済学者であるシュンペーターは、投機を「短期売買を目的とし、証券価格の変動から利益を得ようとする活動」と定義しました。要は、「値段が上がりそうなら買い、値段が下がりそうなら売る」という“利ざや”を目的とした活動が投機なのです。

 

バブルの元祖「チューリップ・バブル」とは

 こうした投機を原因としたバブルの歴史は、1630年代のオランダから始まりました。そのきっかけは、チューリップです。

 当時、チューリップは… 続きを読む

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景山 悟

景山 悟

経済ライター

起業、経営プロジェクト管理、技術経営などについて執筆活動、講義活動を展開中。

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