中国市場を担う日本企業の最新動向

爆買いに代わり急成長!“中国越境EC”の魅力とは

2017.01.13 Fri連載バックナンバー

 近年、対中国の「越境EC」市場が、一時期の訪日中国人観光客による“爆買い”のような勢いで伸びてきています。この越境EC市場とは、一体どのようなものなのでしょうか?

 

日本企業の参入が相次ぐ越境EC市場の魅力とは

 越境ECとは、国境を越えた電子商取引(Electronic Commerce)のことです。企業側からすると、海外出店などのコストをかけずに、海外の消費者に自社製品を直接購入してもらえるというメリットがあります。

 すでに中国の越境EC市場に参入している日本企業としては、パナソニック花王ユニクロ、西川産業、タイガー魔法瓶などがあります。生活用品・家電メーカーが目立ちますが、2016年11月には三越伊勢丹グループが国内の百貨店として初めて本格参入を発表するなど、多業種から注目されています。国内市場が頭打ちになり、グローバル市場に活路を見出したい日本企業にとって、越境ECは販路拡大のチャンスと捉えられているのです。

 市場規模の増加も見込まれています。2015年、中国人が越境ECサイト経由で日本製品を購入する市場規模は、金額ベースで7,956億円でした。しかし、経産省の推計では、2017年は約1.4兆円、2019年には2.3兆円を超えるとされています(「平成27年度 電子商取引に関する市場調査」)。つまり、2015年〜2019年の5年間で、市場規模が約2.9倍になるということになります。

 

爆買いブームの終焉と中国2大ECモールとの提携

 中国の越境EC市場がこのように急速に伸びている背景には、訪日中国人観光客の行動の変化があります。ここ「数年に渡りブームが続いた、日本をはじめとする旅行先での「爆買い」は、落ち着きを見せています。一部のメディアでは、彼らの興味は「モノ」から「コト」へ、つまり日本的な食や文化を旅で体験することにシフトしつつあると報じられています。

 しかしながら、日本製品の品質に対する信頼性や購買意欲は失われた訳ではありません。欲しいものは旅行先で購入するのではなく、自宅から越境ECを通して入手するという購買スタイルが徐々に浸透してきているのです。

 たとえば、中国の2大インターネットショッピングモールである「天猫(T-mall:ティーモール)」と「京東(JD:ジンドン)」は、それぞれ2013年と2014年に、海外企業が出店できる越境EC用のモールを相次いでスタートさせました。前述した日本企業は、主にこうしたサイトに出店しています。

 この「日本のメーカーが中国の通販サイトに出店する」という「BtoC」スタイルが、越境ECが中国で人気となるポイントの1つとなります。というのも、… 続きを読む

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吉村 あまね

吉村 あまね

大手メーカーや広告代理店でブランドのマーケティング・企画業務に従事後、ライターに転身。ビジネスや女性のライフスタイルに関するWebメディア向けの記事を中心に執筆している。トップアスリートが実践しているメンタルトレーニングの基礎を学び、インテリアコーディネーターの資格を有するなど守備範囲の広さが武器。

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