成功の鍵は「地方」にあり(第2回)

セイコーマートはなぜ北海道で強いのか?

2017.04.13 Thu連載バックナンバー

 コンビニ業界が再編の時期を迎えています。昨年はサークルKサンクスファミリーマートに統合、今年2月には群馬を中心に展開するセーブオンローソンに統合されるというニュースも報じられました。

 しかし、そんな中でも、地元に根ざし、独立チェーン店として気を吐いているコンビニがあります。北海道に拠点を構える「セイコーマート」(株式会社セコマ)です。2016年度JCSI(日本版顧客満足度指数)の調査によると、他の全国チェーンのコンビニチェーンを抑え、コンビニ部門の顧客満足度第1位を獲得しています。

 セイコーマートの北海道における店舗数は約1,078店。北海道では他の全国チェーンを抑え、最も店舗数の多いコンビニです。北海道以外では埼玉、茨城のみとなっています。

 本州での展開は少なくとも、道内であれば圧倒的強さを誇るのはなぜか、セイコーマートの強さの理由を調べてみました。

 

1,000点にも及ぶ個性的なPB製品が武器に

 セイコーマートの店内に並ぶ商品の多くは、自社ブランド(PB)製品です。他の大手コンビニチェーンでも、セブン-イレブンでは「セブンプレミアム」、ローソンは「ローソンセレクト」、ファミリーマートは「ファミリーマートコレクション」とそれぞれPB製品を展開していますが、セイコーマートは「北海道であること」を武器とした商品展開が特徴です。

 たとえば、日本最北エリアである豊富町(とよとみちょう)で採れた牛乳や、その豊富牛乳を用いたパン、カフェオレ、デザート各種をはじめ、北海道生まれの良質な素材を使ったオリジナル商品が1,000点以上あります。「ローソンセレクト」が500点ほどなので、企業規模から見ても、その数は膨大です。

 また、セイコーマートには常に60点前後の惣菜が並んでいることも特長のひとつです(店舗により異なる)。惣菜は1人前ずつの小分けタイプで、100円~300円前後と安価です。商品のラインアップも豊富で、スパゲッティやサラダ、煮物、やきとり、アイスクリーム、大福などの和洋スイーツなどが展開されています。消費者は、自分のライフスタイルに合わせた買い方ができます。

 さらに、酒類の販売は、どの店舗でも売り場に多くの面積を割いています。セイコーマートはもともと酒の卸売業からコンビニへと転業した経緯もあり、太い仕入ルートを持っているため、他のコンビニチェーンでは手に入らない酒類を販売できるという強みがあります。

 

作りたての暖かいお弁当を提供する理由とは

 1994年にスタートした、店内で調理する弁当「HOT CHEF(ホットシェフ)」シリーズも人気です。

 そのメニューは、定番商品のカツ丼やカレー、北海道名物ザンギ(からあげ)を具としたおにぎりなどがあり、店内で調理し、温かい状態で提供しています。HOT CHEFは現在道内のセイコーマートの約8割の店舗で導入されています。たとえばカツ丼は、炊飯もカツを揚げるのも、卵でとじるのもすべて店内で行います。おにぎりも店内で握られています。

 HOT CHEFを始めた理由にも、セイコーマートならではのものがあります。HOT CHEFを展開する前、セイコーマートは離島などの遠隔地への出店を控えていました。なぜなら、… 続きを読む

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小島 沙穂

小島 沙穂

株式会社Playceに所属。大手電鉄グループ社内報の編集・ライティングを担当する。また、経営者や新規事業担当者をターゲットにした雑誌『事業構想』にて、連載「パイオニアの突破力」を執筆。アスリートに取材を行い、組織作りやセルフマネジメントのコツを聞き出している。http://www.playce.co.jp/

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