縮小が進む業界の救世主

「加熱式たばこ」はタバコ市場をどう変えるのか?

2016.12.07 Wed連載バックナンバー

 日本では、紙巻たばこの短所である煙や灰が出ず、臭いも少ない「加熱式たばこ」が急速に普及し始めています。

 加熱式たばこは、たばこ葉が凝縮された専用のスティックを電子で加熱して、発生したベイパー(蒸気)を楽しむ製品です。たとえばフィリップ・モリス・ジャパンの「iQOS(アイコス)」や、日本たばこ産業(JT)の「Ploom TECH(プルーム・テック)」は、現在も品薄が続くほどの売れ行きです。

 この加熱式たばこ市場に、世界2位のたばこ会社である英BAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)が、「glo(グロー)」という製品を、世界に先駆けて日本で12月12日から発売することを発表しました。まずは仙台市内のコンビニエンスストアなど約600店舗で発売を始め、そこから全国展開を進める計画としています。

 「ケント」「クール」「ラッキー・ストライク」など、日本でも有名なブランドを展開するBATが、この市場に敢えて後発として参加することで、市場での競争がさらに激化することが予想されます。

 次世代のたばこ市場がどのような変化を見せるのか、BATの狙いを踏まえて考えていきます。

 

「glo」戦略からわかるBATの本気度

 BATは日本市場では後発になりますが、同社はこの次世代たばこ市場でリーダーを目指すとしており、日本市場での成功に自信を見せています。

 その自信の根拠として、ライバルを超える性能を備えている点があるでしょう。1回の充電で吸える本数は、iQOSの20本を超える35本。もちろん、紙巻きたばこのような煙や臭いは出ません。また、有害物質も大幅に減少しているといいます。

 価格面も、iQOSと比べ有利となっています。加熱器本体は8,000円、スティックは20本入りで420円と、iQOSの本体9,980円、20本入り460円より低く抑えられています。商品仕様と価格の差別化によって、市場での優位を狙うのが、BATの戦略です。

 

先行製品が安定して供給できていない

 BATの参入の裏には、先行製品が安定した供給に失敗している点もあります。

 市場を牽引するiQOSは、加熱器本体の販売台数も200万台を突破しており、順調に売り上げを伸ばしています。ただし、増産体制が… 続きを読む

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地蔵 重樹

地蔵 重樹

フリーライター

ニュースサイトやオウンドメディアなどのWebコンテンツや、書籍のライティングを行う。著書に『〈アウトライン記述法〉でA4一枚の文書がサクサクつくれる本』(日本実業出版社)などがある。

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