鉄道業界の最新動向(第1回)

新宿と羽田が直結?東京の未来の新路線を予測する

2016.09.13 Tue連載バックナンバー

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、さまざまなインフラ整備や都市開発が計画される中、東京圏でも新たな鉄道路線の開発が検討されている。国土交通省の資料でも、「空港アクセス強化」や「混雑率低下」などを目的とした新路線・沿線の構想は20プロジェクト以上にものぼる。鉄道アクセスの改善は2020年の一大イベントに限らず、日々ラッシュアワーに耐える通勤者にとっても喫緊の問題である。

 そこで今回は、2016年4月に発表された国土交通省の小委員会資料「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」をもとに、東京圏で次に開発される可能性が高い路線を予測する。

 

新宿・渋谷から羽田空港へ直結する新路線が誕生?

 ビジネス面と観光面の双方で大きな効果が期待されるのが、成田空港羽田空港へのアクセス利便性の向上だ。

 これまでにも都市部から空港へのアクセス改善に向けた施策は積極的に行われてきた。たとえば品川駅〜羽田空港駅(現:羽田空港国内線ターミナル駅)間の所要時間は、1998年では最速25分だったが、京急蒲田駅の改良などにより、2012年には最速14分までに短縮。成田空港についても、日暮里駅〜空港第2ビル駅間の所要時間が1992年では最速52分だったが、2010年には最速36分に短縮されるなど、速達性や乗換利便性は向上している。

 しかし、東京駅や新宿駅、渋谷駅などビジネスや観光の拠点となる駅、レジャー施設や高層マンションの建設がさかんな臨海副都心から空港へのアクセス利便性については、まだまだ改善の余地がある。

 現在、各プロジェクトの中でも実現可能性が非常に高いのが、「羽田空港アクセス線」の新設である。これは羽田空港と、JR山手線の田町駅付近、りんかい線の大井町駅付近、同じくりんかい線の東京テレポート駅を結ぶ路線で、これが開通すると、新宿や渋谷、池袋、臨海副都心から空港への所要時間を大幅に短縮でき、乗換回数も減らすことができる。出張で飛行機を利用するビジネスマンや国内外の観光客にとってこれほど便利なものはないだろう。

 資料では、複数の鉄道会社や自治体が関係する事業のため計画に時間を要しているとあるが、休止中の貨物線を活用できるので、他の事業よりも着手しやすい点、羽田空港国際化の流れが後押しとなっている点から、今後も大いに注目すべき路線である。

 

 800m離れた蒲田駅~京急蒲田駅を鉄道で結ぶ効果とは?

 さまざまな路線が複雑に入り混じる東京圏の鉄道網では、複数の鉄道事業者間でのシームレスな乗継が、利用者の快適な交通アクセスを左右する。国土交通省も、東京圏の都市鉄道が目指すべき姿のひとつに「豊かな国民生活に資する都市鉄道」を挙げ、「混雑の緩和」「速達性の向上」とともに「シームレス化」の推進を目指している。

 そのような状況下で現在、開発が有力視されているのが、蒲田駅と京急蒲田駅の約800mの距離をつなぐ新空港線の新設、通称「蒲蒲線」だ。これは、… 続きを読む

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松山 響

松山 響

ライター

株式会社Playceに所属。大手広告代理店のオウンドメディア(月間100万PV)にて、取材・ライティングを担当する。若者の実態調査、地方創生プロジェクトに関する記事を継続して執筆。また、生協の週刊情報誌の編集に創刊から携わり、食と安全にも明るい。http://www.playce.co.jp/

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