激動の軽自動車業界から学ぶビジネスの教訓(第2回)

三菱自動車を買収、ゴーン日産の4つの思惑とは

2016.07.11 Mon連載バックナンバー

 4月20日、三菱自動車が燃費データ測定の不正をしていた事実が明らかになったことで、三菱自動車の株は急落。社長は辞任に追い込まれ、経営が困難な状況となりました。

 騒動の最中、真っ先に手を差し伸べたのが、軽自動車事業で提携関係にあった日産自動車でした。約1カ月後の5月25日、日産と三菱自動車は資本業務提携に向けた戦略提携契約を締結し、三菱自動車が日産の傘下に入ることが決定しました。

 燃費データ不正問題はまだ解決していない状態で、あえて同社を買収する日産の思惑は、どのようなものなのでしょうか?今回は、三菱自動車を買収する、カルロス・ゴーン社長率いる日産の思惑を読み解きましょう。

 

なぜ日産は急いで買収したのか?

 三菱自動車が日産の傘下に入るのは10月から。三菱自動車が株式の第三者割当を10月に行い、日産は三菱自動車の株式の34%を取得することになります。その結果、日産の取得株式数は三菱グループを上回り、三菱自動車の筆頭株主となる見込みです。日産が三菱自動車の株式取得のために投じる額は、2,373億円にのぼります。

 しかし三菱自動車が消費者に対する賠償問題は未だ解決していません。三菱自動車と日産のホームページには、6月23日に不正行為に対する損害賠償に関する内容が公開されましたが、支払いに関する具体的な手続きは7月下旬以降となるため、まだまだ予断は許されない状況です。

 このような不安定な状態で、日産が巨額を投じて三菱自動車を買収するメリットはどこにあるのでしょうか?その裏には、日産側の4つの思惑が見て取れます。

 

理由1:三菱自動車がなくなると日産の軽自動車部門も危うくなる

 日産が三菱自動車を買収するメリットの1つ目は、… 続きを読む

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松本 陽子

松本 陽子

元弁護士。現在はライターに転身。ネット問題や相続、不動産、債務整理や交通事故、離婚などの各種の法律記事をはじめとして、税金や不動産、経営やITなどのジャンルで執筆を行っている。

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