なぜ企業は値上げせざるを得なかったのか?

あのロングセラーも!値上げを踏み切った企業の選択

2016.05.05 Thu連載バックナンバー

 4月から新年度が始まったが、同時にさまざまなものが値上がりしたとニュースで伝えられている。生活に欠かせないものから、意外なものまで値上げする企業の狙いとは何なのか。

 

あのロングセラー商品も値上げ

 食品メーカー各社の値上げが目立っている。今年は特に、企業努力によって何十年も守られていた商品の値段も、上げざるを得なくなってしまっているようだ。

 たとえば、赤いキャップでおなじみの食卓塩。公益財団法人塩事業センターは、100グラム入りの食卓塩と、800グラム入りのクッキングソルトの価格を4月1日出荷分から約35%値上げすることを決めた。具体的には、食卓塩は本体価格68円から91円に、クッキングソルトは136円から184円となる(いずれも税抜、以下同じ)。理由としては、メキシコからの輸入する塩の調達費が上がったことが原因だと発表しているが、同社にとって価格改定は24年ぶりのことだ。

 リーズナブルな商品の値上げは他にもある。子どもを中心に人気のアイスキャンデー、赤城乳業の「ガリガリくん」も、とうとう値上げを宣言。ハーゲンダッツをはじめとする高級志向なアイスが人気を博しているなか、ガリガリ君は長年1本60円という破格の安さで、多くの人の暑い日を支えてきた。60円から70円へと、1本10円の値上げだが、実に25年ぶりの値上げだ。

 理由はやはり、原料価格の高騰やアイスの棒などの包装にかかるコストの値上げによる影響であると発表している。これを受けて、同社では「値上げ」をテーマにした楽曲と共に、社長や社員が値上げに対するお詫びとして深々と頭を下げる、シンプルながら衝撃的なCMまで放送した。

 ほかには、毎日の習慣にしている人も多いであろう乳酸菌飲料「ヤクルト400」と「ヤクルト400LT」の希望小売価格が、現在の70円から80円に値上げする。こちらも乳製品原材料の包装にかかる資材原料費の高騰で原材料の価格が上がったことが主な原因という。発売以来17年間守り抜いてきた価格を努力以上にかかる費用のコストが上回り、自助努力だけでは賄えないという理由から値上げに踏み切ったと発表している。

 同商品は、量販店で手に入るヤクルトとは違い、宅配販売専門商品である。毎日飲み続けるものだけに、たかが10円の値上げと言い切るのは難しい。

 各メーカーが口を揃えて理由に挙げる「原料価格の高騰」。その根本的な理由は、世界的な人口増加による食品原料の需要が増加することで、原料の輸入価格が高騰していることが挙げられる。あわせて、2015年頃から円安が急激に進んだことで、輸入品の仕入れ価格が高くなっていることも要因であると考えられる。

 

テーマパークなど娯楽施設にも広がる値上げ

 一方で、戦略的な理由で値上げを行った企業もある。… 続きを読む

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キノシタ マユコ/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

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フリーライター・Graphic worker

広告プロダクションでディレクターとして勤務し、その後フリーライターとして独り立ち。現在はさまざまなジャンルの情報媒体の取材・執筆、グラフィックデザインやイラストまでも行う「Graphic worker」として活動中。元美容師という異色の経歴の持ち主。Instagram:womb_kinoco

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