Google経営史から読み解く、広告とSEOの将来(第2回)

スタンフォード大がGoogleから400億円を得た理由

2016.03.28 Mon連載バックナンバー

 Googleが巨大企業へと成長してきた経営史を紹介しながら、同社の広告・SEO・情報技術の将来を探る本連載。第2回目は、「産学連携」です。

 大学で生み出される有用な知識を、産業の発展に結びつけようとする政策は、どの国でも重視されていますが、その最大の成功例がGoogleです。Googleは同大学の関係者からさまざまな支援を得たことで大きく成長し、スタンフォード大学もGoogleから約400億円相当の株式を受け取りました。

 スタンフォード大学と2人の創業者の関係を振り返りながら、Googleの成長に大学が果たした役割を探ります。

 

“ゴミあさり”をしていたGoogle創業者を大学が支援

 Google創業者の1人、ラリー・ペイジ(Larry Page)は、スタンフォード大学の博士課程に在学中、Webページの重要度をランキングする「ページランク」と呼ばれる仕組みを考え出しました。

 ページランクは、ユーザーがランダムにWebサイトを訪問し、ランダムにリンクをクリックしていくと、最終的にどのWebページにたどり着くか、という確率を元としています。Webページの巡回をするWebサーファーが、ランダムに行動するという仮定をしているため、このページランクは、ランダム・サーファー・モデルと呼ばれました。

 このページランクの商標はGoogleが所持していますが、特許(米国特許6,285,999号)は今でもスタンフォード大学が取得したまま、Googleにライセンスされています。

 1995年、ラリーは同じくスタンフォード大学でWebサイトからデータを集めて分析する研究をしていたサーゲイ(セルゲイ)・ブリン(Sergey Brin)と意気投合し、サーチエンジンの共同研究を始めます。世界中のWebサイトをクロール(巡回)して、スタンフォード大学のコンピュータにそのデータをダウンロードするのです。

 1996年にはサーチエンジンの初期モデルがほぼ完成し、学内で広く使われるようになりました。しかし、その完成にはコンピュータがいくらあっても足りず、大学内で使われていないコンピュータを無断で拝借したとの逸話まで残っています。

 彼らがコンピュータの“ゴミあさり”をしていることに気づいた大学教授は、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

鈴木 健治

鈴木 健治

特許事務所ケイバリュエーション 所長 弁理士

経済産業省産構審小委員会の臨時委員、(財)知財研 知的財産の適切な活用のあり方に関する委員会委員などを歴任。著書に「知的財産権と信託」『信託法コンメンタール』(ぎょうせい)、論文に「知材重視経営を支えるツール群に関する一考察(月刊パテント)」などがある。取引先の経営者・担当者にビジネス書の書評をお届けしている。公式サイト:http://kval.jp/

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter