Google経営史から読み解く、広告とSEOの将来(第1回)

中身のない広告を押しつけるな!Googleの検索改革

2016.03.09 Wed連載バックナンバー

 世界的な検索サイトといえば、Googleです。天気・ニュース記事・アプリの使い方・料理のレシピ・プロポーズの例文まで、仕事や生活で必要な情報はすべて検索できます。母国アメリカでは「Googleが出現したせいで、人類の記憶力は低下した」と学者が指摘するほどです。

 Googleは、検索したユーザーにぴったりのWebページをより目立たせるために、企業秘密の独自ルールで、Webページをランキングしているところにあります。このランキングの仕組みは、上位表示を目指すSEO(サーチ・エンジン最適化)をする人々にとって、重要な研究対象となっています。Googleは高品質の検索を生み出すことで、巨大企業に成長したのです。

 本連載では、Googleが巨大企業へと成長してきた経営史を紹介しながら、同社の広告・SEO・情報技術の将来を探ります。初回はGoogleの起業から、「アドワーズ」というGoogle最大の収入源が生み出されるまでをみていきます。

 

アドワーズは、インターネットの「広告自動販売機」

 Googleはたった二人の頭脳から生み出されました。1998年、サーゲイ(セルゲイ)・ブリン(Sergey Brin)と、ラリー・ペイジ(Larry Page)の二人は、スタンフォード大学の博士課程に在学中、検索サービスを提供するGoogleを起業しました。

 Googleの成長を支えたのが、「アドワーズ(Adwords)」と呼ばれる広告ビジネスです。広告の料金は、広告主が自ら決める「入札型」で、決済はクレジットカード、さらにどのキーワードを設定するかは広告主が行うという、これまでの広告とは大きく異なるものでした。Googleはインターネットに、“広告の自動販売機”を作ったのです。

 Google広告の仕組みでは、ユーザーに人気のある広告(クリック率の高い広告)が、より目立つ場所に出ます。通常の検索のみならず、広告の表示でも、Googleはユーザーにぴったりの情報を探し出す検索サイトとなりました。

 2002年、Googleはアドワーズにより通年黒字となり、2004年には株式公開しました。その後も快進撃を続け、2008年には社員2万人、売上高200億ドル(1ドル120円計算で、2兆4千億円)を達成、2015年には、4倍近い745億ドルの売上高となりました。

 

なぜGoogleは検索結果に合った広告を表示するのか

 Googleはなぜ高精度の検索を実現しているのでしょうか。検索の裏では、驚異的な情報処理が行われています。… 続きを読む

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鈴木 健治

鈴木 健治

特許事務所ケイバリュエーション 所長 弁理士

経済産業省産構審小委員会の臨時委員、(財)知財研 知的財産の適切な活用のあり方に関する委員会委員などを歴任。著書に「知的財産権と信託」『信託法コンメンタール』(ぎょうせい)、論文に「知材重視経営を支えるツール群に関する一考察(月刊パテント)」などがある。取引先の経営者・担当者にビジネス書の書評をお届けしている。公式サイト:http://kval.jp/

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