新たな「販売」の形を追う(第2回)

空港でモノを売れ!

2015.11.29 Sun連載バックナンバー

 空港はターミナルとしての機能だけではなく、新しい「販売のチャンネル」として有効活用されるようになっている。なぜ、限られた人間しか利用せず、単なる「通過する場所」でしかないはずの空港なのだろうか。

 空港への出店をきっかけにブランドイメージを上げた企業や、店舗のターゲット層とあった客が集まる場所として空港に着目した企業の事例を紹介していく。

 

空港出店でブランド力を高めた化粧品ブランド「よーじや」

 空港とは飛行機に乗るための場所であり、「できるだけ早く通過したい場所」に過ぎない――。もし、そう考えているとしたら、いますぐ認識を改めた方がいい。

 大規模な空港は、いま物販の大きなチャネルとして機能している。土産品が中心の店とちょっとしたレストランや喫茶店がある程度、というかつてのイメージはもはや過去のものといっていい。

 飛行機を利用する人々を安全かつスムーズに空の旅に送り出し、そして迎え入れるという空港本来の機能に加えて、空の旅につきもののわくわくとした高揚感に応える店が増えてきた。空港自体を目的に客が足を運びたくなるような店やブランドが多数、空港に出現し、実績をあげている。そして、空港での人気をバネにブランド力を上げ、その後の活躍に結びつけた店も少なくない。

 その代表的な例として、化粧品ブランド、「よーじや」を挙げてみよう。

 羽田空港の旅客ターミナル、通称「ビッグバード」には、さまざまなユニークな店が出店している。南青山に本店を置く書斎館の支店「Shosaikan」、セレクト雑貨の店「ポートベニール」、東京発の旅のセレクト雑貨の店「TOKYO’S TOKYO」。こうした個性派の中でも、化粧品および化粧雑貨の店として人気を集めているのが、創業108年の歴史を持つ京都発のブランド、よーじやだ。シンボルとなっているうりざね顔とおちょぼ口が印象的な日本女性のイラストをどこかで見かけたことがある、という方も多いのではないだろうか。

 現在、よーじやの店舗数は全国に19店。飛躍のきっかけの一つとなったのが、空港への出店だった。… 続きを読む

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三田村 蕗子

三田村 蕗子

フリーライター

福岡生まれ。津田塾大学学芸学部卒業。マーケティング会社、出版社勤務を経てフリーに。ビジネス誌、流通専門誌など、ビジネスの領域で活動するライター。おもな著作に「ブランドビジネス」(平凡社新書)、「夢と欲望のコスメビジネス」(新潮社新書)、「論より商い」(プレジデント社)、「アイリスオーヤマ 一目瞭然の経営術」(東洋経済新報社)など。

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