池井戸潤作品をビジネスに活かす!(第2回)

「花咲舞」に学ぶ、人間関係のストレスを減らす方法

2015.10.16 Fri連載バックナンバー

 「半沢直樹」「下町ロケット」など、作品の多くがドラマ化されている人気作家といえば「池井戸潤」。彼の作品の面白さは一体どこにあるのか? 初回は「ルーズヴェルト・ゲーム」を取り上げたが、2回目は、日本テレビドラマ『花咲舞が黙ってない!』の原作にもなった、池井戸潤の小説『不祥事』(講談社)に迫る。

 本作は主人公の花咲舞と上司の相馬健がコンビを組み、銀行内でのトラブルや不祥事を解決していく物語だ。上司や取引先の手前、言いたくても言えないことを抱えてストレスが溜まることは多い。しかし、花咲舞は自分の立場など気にせず理路整然と意見を言う。その姿は、組織で働くものならば羨ましさすら感じるだろう。

 花咲舞の言動を通し、ストレスを溜めずに意見を言える人間関係について考えてみよう。

 

筋を通せば上司に意見も言える

 入社5年目の若手社員ながら、誰にでも物怖じせず意見を言う花咲舞。典型的な保身型で仕事はできるものの、なかなか上に意見が言えない相馬健。一見ちぐはぐなふたりだが、舞は行動派、相馬は慎重派と、お互い足りないところを補いあう名コンビである。ふたりは本部から支店を指導する“臨店”を通して、銀行内のさまざまな問題を解決していく。

 間違っているものは間違っている。納得いかないものは納得がいかない。と、はっきり意見を言う舞。そこが魅力であり、実際に芯の通った女性なのだが、やはり若手社員ということで上司にやりこめられてしまうこともある。

 あるとき舞と相馬が臨店に出向いた支店で、ひとりの男性客が現れた。男は舞の担当する窓口へ向かい、5分も待っていないのに「私の順番はまだでしょうか。急いでいるので」と言う。上品な顔立ちにしっかりしたスーツ姿と、金回りの良さそうな身なりをしているが、舞はどこか怪しげな印象を持った。

 舞は順番を守らない男を優先するわけにいかず「少々お待ち下さい」と突っぱねる。しかし、その様子を見た出向先の上司は、… 続きを読む

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舟崎 泉美/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

舟崎 泉美/studio woofoo(www.studio-woofoo.net)

小説家、ライター

富山県出身、東京都在住。小説、脚本、ゲームシナリオ執筆。ライターとして雑誌、WEB、企業誌などにも記事を書いている。第一回本にしたい大賞受賞。著書「ほんとうはいないかもしれない彼女へ」(学研パブリッシング)。公式ホームページ http://izumishiori.web.fc2.com/

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