ケータイ業界の最新動向に迫る(第28回)

圧倒的な安さの「格安SIM」注意すべきポイントとは

2017.01.17 Tue連載バックナンバー

 ここ最近急速に人気と注目を高めている、キャリアからネットワークを借り、低価格でモバイル通信サービスを提供しているMVNO。そのサービスは値段の安さから、俗に「格安SIM」などとも呼ばれているが、実際格安SIMのサービスを利用する上ではどのような点に注意する必要があるだろうか。

 

携帯大手3社より圧倒的に安い料金が魅力

 最近、スマートフォンを安く利用したい、毎月の通信費を抑えたいという人からの人気を獲得しているのが、俗に「格安SIM」と呼ばれるサービスである。これらはNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社が手掛けているものではなく、その大手携帯会社からネットワークを借り、MVNO(仮想移動体通信事業者)がサービスを提供しているものだ。

 MVNOが提供する通信サービスの最大の特長は、格安SIMという名前の通り、何と言っても月額料金が安いこと。大手3社と契約してスマートフォンを利用する場合、どんなに安いプランを使っても月額5,000円程度は支払う必要があるし、月額1万円を超えている人も多いことだろう。しかしながらMVNOのサービスを用いた場合、月額2,000〜3,000円程度でも、十分満足が得られるサービスを利用できる。この圧倒的な値段の安さがMVNOの大きな魅力となり、人気が高まっている訳だ。

 また、かつてMVNOのサービスは音声通話料金が高いことから、音声通話を頻繁に利用する人には不利と言われ続けてきた。だが昨年、多くのMVNOが電話番号の前に特別な番号を付与して電話することで、通常とは異なるネットワークを経由して通話を安くする「プレフィックスコール」や、IP電話の仕組みを活用するなどして、大手3社と同様の音声通話定額サービスを実現。通話に関するデメリットも、従来より小さくなってきている。

 しかもMVNOは、総務省調べで既に550社を超えると言われており、MVNO同士でも激しい競争が繰り広げられていることから、料金やサービスに工夫を凝らしたものが多く存在する。料金が横並びの大手3社と比べると、自分の利用スタイルに合った料金プランを選びやすい、というのもMVNOのメリットの1つといえるかもしれない。

 

最大のデメリットはサポートと昼食時の通信速度

 価格を中心として多くのメリットを備えるMVNOのサービスだが、実際に購入して利用する上では、いくつか注意しなければいけないポイントもある。

 MVNOのサービスが安い理由の1つとして、事業者自ら通信ネットワークを敷設している訳ではないので、比較的安い投資コストでサービスを始められることが挙げられる。だがより大きな理由となっているのは、コスト削減を徹底し、最小限のサービス提供に絞っていることだ。それゆえ、大手3社のサービスと比べると、安さの代わりに犠牲となっているポイントもいくつか存在することを忘れてはならない。

 最も注意が必要なのは販売とサポートだ。大手3社のサービスを契約したり、サポートを受けたりする場合は基本的に家電量販店や各社のショップに行けばよい。だがMVNOは販売やサポートにかけるコストを大幅に削っているため、販売もサポートもインターネットが主体となっているのだ。

 特にサポートは、大手3社と比べると圧倒的に不便になることは覚えておくべきだろう。大半のMVNOは… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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