ケータイ業界の最新動向に迫る(第43回)

auの新料金プラン導入、その背景には「危機感」が

2017.09.05 Tue連載バックナンバー

 KDDI(au)が7月から開始した新料金プラン「auピタットプラン」「auフラットプラン」が話題だ。その月の通信量に応じて料金が変わる段階制を採用し、なおかつ端末代金と通信料金を分離するなど非常に意欲的な料金プランだが、新料金プラン導入に踏み切った背景には、KDDIの強い危機感があるようだ。

 

「段階制」と「大容量」の2つを用意

 KDDIが7月から提供を開始している2つの料金プラン、「auピタットプラン」「auフラットプラン」が話題となっている。

 auピタットプランは、毎月使用した通信量に応じて、その月の料金が変化する段階制の料金プラン。料金は1GBから20GBまで5段階に変化し、5分間通話定額の「スーパーカケホ」と組み合わせた場合、2年間契約が必要な「誰でも割」が適用される。その結果、1GBまでは月額3,480円、2GBまでは4,480円、20GBまでは7,480円、といったように料金が変化する。従来の固定制のプランと比べ、通信量の無駄が発生しにくいのがポイントだ。

 また、auピタットプランに固定・携帯のセット契約による割引「auスマートバリュー」を適用すると、段階に応じて500円から1,000円の割引が適用されるほか、今年末まで実施される「ビッグニュースキャンペーン」の適用で、1年間は月額1,980円から利用できるという。

 そしてもう1つの「auフラットプラン」は、毎月必ず20GB、30GBもの大容量通信を行なう人に向けた、固定制の料金プランだ。「誰でも割」を適用した場合、「スーパーカケホ」との組み合わせで、20GBで月額6,500円、30GBで月額8,500円。auスマートバリューの適用でさらに月額1,000円値引きされることから20GBでは月額5,500円、ビッグニュースキャンペーンの適用で1年間は月額4,500円で利用できる計算になる。

 いずれの料金プランも従来の料金と比べると安価になることが多い。特にauピタットプランは、条件を全て満たすのは厳しいものの、大手キャリアながら1,980円で利用できるという、“格安”サービスに匹敵する料金を実現するなど、かなり踏み込んだ価格設定になっていることから、大きな驚きをもたらしたようだ。

 

総務省の影響もあり分離プランを採用

 とはいえ、料金を安くできるのにはそれなりの理由がある。それはNTTドコモの「docomo with」同様、スマートフォン購入時の値引きがなされないことだ。端末の値引き分の原資を、毎月の通信料を下げるために用いたことで、通信料を安くしているのだ。

 しかもauの新料金プランは、対象機種を絞ったdocomo withと異なり、全てのAndroidスマートフォンが新料金プランの対象となる。それゆえ低価格モデルならともかく、夏に発売されたばかりの最新のハイエンドスマートフォンを値引きなしで購入するとなると、かなりの出費を覚悟しなければならないこととなる。

 無論、au側もそうした点には配慮しているようだ。実際新料金プランの提供と同時に、毎月390円を支払い、4年間の割賦契約で端末を購入することで、2年経過後に機種変更した時に残債の支払いが不要になる「アップグレードプログラムEX」を提供。高額な端末も買いやすくしている。

 ではなぜ、KDDIが新料金プランを提供したのかというと、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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