ケータイ業界の最新動向に迫る(第39回)

ドコモ「何年経っても毎月1,500円値引き」の秘密

2017.07.03 Mon連載バックナンバー

 今年に入ってから安価な料金サービスを相次いで打ち出しているNTTドコモ。中でも、指定のスマートフォンを購入することで、何年経っても毎月の料金が1,500円値引きされる料金プラン「docomo with」は大きな関心を集めているようだ。なぜNTTドコモは、このような料金プランを提供するに至ったのだろうか。

 

顧客維持に向け新料金プランを次々打ち出すNTTドコモ

 ここ最近、“格安”なモバイル通信サービスを提供するMVNOや、大手キャリアのサブブランドが注目され、安価なサービスを求めて大手キャリアから乗り換える人が急速に増えている。だがそうした状況を、大手キャリアの側も黙って見ている訳ではない。

 実際にソフトバンクは安価なサービスを提供する「ワイモバイル」ブランド、KDDIは参加企業がMVNOとして展開する「UQ mobile」などに力を入れることで、MVNOに対抗する方針を明確に打ち出している。一方でNTTドコモは、多くのMVNOがNTTドコモのネットワークを借りているビジネスパートナーであるという事情もあり、自身で格安のサブブランドを展開することには消極的だ。

 だがそのNTTドコモにとっても、他の2社が安価なサービスに力を入れ始めたことからライバル企業への顧客流出は深刻な問題となってきており、今年に入って以降は従来よりも安価なサービスを提供することで、ユーザーの流出を防ぐ戦略に力を入れてきている。

 たとえば4月には、新料金プランの「シンプルプラン」を打ち出している。これは定額で通話できる相手が家族間に限られる代わりに、月額980円と安価な料金で利用できるもの。契約できるのは家族でデータ通信容量をシェアする「シェアパック」の利用者に限られ、単身者は契約しづらいという制約はあるが、従来最も安価だった5分間通話定額の「カケホーダイライトプラン」(月額1,700円)と比べると720円も安い。家族以外の相手とほとんど通話をしない、あるいはLINEの無料通話などを使っている人であれば、大幅に料金が抑えられることは確かだろう。

 だがNTTドコモの料金施策はこれだけにとどまらない。翌5月には早くも新たな料金プラン「docomo with」を発表しているのだが、こちらも発表直後から、シンプルプランを上回るほど大きな注目を集めているのだ。

 

docomo withは端末値引きとのトレードオフ

 そもそもdocomo withとはどのような料金プランなのかというと、NTTドコモ側が指定したスマートフォンに買い替えると、月額料金が毎月1,500円割引かれるというものだ。料金プランというよりも、既存の料金プランと組み合わせて利用する、割引サービスに近いものといえるだろう。

 大きな特徴は、一般的な「2年縛り」の料金プランや割引とは異なり、一度docomo with対応機種に買い替えれば、契約中は何年経過しても1,500円の割引が受けられること。docomo with対象外の機種に買い替えてしまうと割引はなくなってしまうが、対象機種に買い替え続ける、あるいは中古端末やSIMフリー端末などを自分で調達して利用する分には、ずっと割引が適用されるという。

 では、肝心のどの機種がdocomo withの対象なのかというと、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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