ケータイ業界の最新動向に迫る(第36回)

サムスンはAI搭載の新型Galaxyで信頼を取り戻せるか

2017.05.22 Mon連載バックナンバー

 昨年、「Galaxy Note 7」の相次ぐ発火事故が世界的な問題となったことで、顧客の信用を大きく損ねてしまったサムスン電子。だが渾身の新モデル「Galaxy S8」「Galaxy S8+」を投入するとともに、バッテリー発火事故を起こさないための体制改善を進めるなど、サムスン電子は信頼回復に向け積極的に取り組んでいるようだ。

 同社の努力は実を結び、信頼回復へとつながるだろうか。

 

Galaxy Note7の相次ぐ発火事故で信頼を大きく落とす

 昨年発売された、サムスン電子の大画面スマートフォン「Galaxy Note」シリーズの最新モデル「Galaxy Note7」が、世界的に大きな問題となったことは記憶に新しいだろう。

 Galaxy Note7はサムスン独自の両側面がカーブした有機ELの5.7インチディスプレイを搭載したスマートフォンであり、指紋認証に加え、目の虹彩による生体認証を備えるほか、Galaxy Noteシリーズの特長でもある「Sペン」によるペン操作も大幅に改良が加えられており、充実度の高いスマートフォンに仕上がっていた。

 それゆえGalaxy Note7は、8月に米国や韓国で発売された直後より高い人気を博し、日本でもここ最近Galaxy Noteシリーズを取り扱っていなかったNTTドコモやKDDI(au)が、発売を予定していたことを明らかにするなど、高い評価を受けていた。

 だが発売後間もない9月に入ると、そのGalaxy Note7が大きな問題を起こしていたことが明らかとなったのだ。

 それは相次ぐバッテリーの異常発熱や発火事故だ。Galaxy Note7は発売直後から、充電中に発火したり、爆発したりといった事故が相次いで報告されたのである。それを受けてサムスン電子は、昨年9月に同機種の発売を一時停止。その原因が一部メーカーのバッテリーにあると判断して、そのバッテリーを採用した端末を別メーカーのバッテリーと交換する措置をとり、端末の販売を再開した。

 しかしながら10月には、米国の飛行機内に持ち込んだ、バッテリー交換済みのGalaxy Note7が発火するという事故が発生。結局この事故がダメ押しする形となり、サムスンはGalaxy Note7の生産・販売を完全に中止することを発表。販売済みの端末も自主回収したことで、Galaxy Note7は幻の機種となってしまったとともに、サムスンは顧客からの信頼を大きく損なうこととなってしまったのである。

 

大規模なリソースを費やしバッテリー事故の原因を究明

 スマートフォンで世界最大手のサムスンにとって、この事故はスマートフォン事業の継続をも左右しかねない大きな問題だ。そこでサムスンは、顧客から失われた信頼を回復するべくいくつかの策をとっている。最初に実施したのは、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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