ケータイ業界の最新動向に迫る(第35回)

ソフトバンクとヤフーが連携を深める裏に「EC」あり

2017.05.09 Tue連載バックナンバー

 最近ソフトバンクが、ヤフーの「Yahoo!ショッピング」で買い物をすると、もらえるTポイントが5倍、10倍にもなるというサービスやキャンペーンを相次いで打ち出すなど、協力関係を深めている。両社とも同じソフトバンクグループ傘下の企業だが、連携の度合いを深めている理由はどこにあるのだろうか。

 

キャンペーンで「Yahoo!ショッピング」の利用でポイントが10倍に

 今年の春商戦も、この時期最大のターゲットとなる学生を中心とした契約を獲得するべく、大手携帯キャリアが相次いでさまざまな施策を打ち出してきた。そうした中でも、ある特徴的な戦略を打ち出してきたのがソフトバンクである。

 それはヤフーとの連携だ。ソフトバンクは高価格帯の「ソフトバンク」ブランドと、低価格帯の「ワイモバイル」ブランド、2つのブランドで通信サービスを提供しているが、今回の春商戦では、いずれのブランドでもECを中心として、ヤフーとの連携を強化した施策を打ち出しているのだ。

 まずソフトバンクブランドだが、「Yahoo!ショッピング」など、ヤフーやその傘下企業が展開するECサービスを利用した際、Tポイントが10倍貯まる「ソフトバンクならいつでもポイント10倍キャンペーン」を打ち出している。これはあくまで2月1日から5月31日までの期間限定キャンペーンだが、通常は商品の価格の1%しか貯まらないTポイントが10倍貯まるというのは、非常にインパクトがあることは理解できるだろう。

 ワイモバイルブランドではさらに一歩踏み込み、「スマホプラン」など主力の料金プランを契約しているユーザーに対し、「Yahoo!プレミアム for Y!mobile」を無料で提供することを打ち出している。これは要するに、ヤフーのポータルサイト「Yahoo! Japan」の有料会員サービス「Yahoo!プレミアム」相当のサービスを、ワイモバイルユーザーにも無料で提供するというものだ。

 それゆえワイモバイルのスマートフォンを利用しているユーザーであれば、月額462円を支払わないと利用できないYahoo!プレミアムと同等のサービスが、無料で利用可能になる。具体的には、Yahoo!ショッピングでのポイント付与が5倍になるほか、買い物でトラブルが起きた時に10万円まで保証してくれる「お買いものあんしん補償」が利用できる、オークションサービス「ヤフオク!」の利用制限がなくなるなどのメリットが得られることとなる。

 

狙いはキャリア間の競争を優位にするだけではない

 元々ヤフーが大きく関与しており、サービス面で既にいくつかの連携施策を打ち出しているワイモバイルが、ヤフーとより連携を強化することは理解できる。だがワイモバイルだけでなく、ソフトバンクブランドでもほぼ同時期にヤフーとの連携を強化しているのには、どのような理由があるのだろうか。

 1つはもちろん、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

連載記事

スマホの進化が停滞しても、カメラの進化は続く
佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter