ケータイ業界の最新動向に迫る(第32回)

「iモード」がモバイル/ネット業界に与えた影響とは

2017.03.20 Mon連載バックナンバー

 昨年、対応端末の出荷がほぼ終了したNTTドコモの「iモード」。1999年に登場して以降、スマートフォンが本格的に台頭するまでの10年間にわたって日本のモバイルインターネットを支えたiモードだが、改めてiモードが携帯電話、そして我々の生活をいかに大きく変えてきたのか、振り返ってみよう。

 

iモード対応端末の出荷が終了

 昨年11月、NTTドコモは「iモード」対応の携帯電話を、一部を除いて昨年内のうちに出荷終了することを発表した。これによってiモード対応の携帯電話は、一部のシニア向け端末「らくらくホン」シリーズを除き、市場に残っている在庫以外で入手することができなくなってしまった。

 もちろんiモードのサービス自体はまだ終わった訳ではなく、既存のiモード端末ユーザーは継続してiモードを使い続けられる。だが端末が手に入らなくなったことを受け、一時代を築いたiモードが事実上の終焉を迎えつつある、と感じた人は少なくないはずだ。

 確かにスマートフォンが広く普及し、アプリなどによって幅広いインターネットサービスが利用できるようになった現在、携帯電話に特化したインターネットサービスである、iモードが役目を終えつつあるのは事実だろう。だがiモードは、現在のようなスマートフォンが登場する以前、長きにわたってモバイルインターネットを支え続けた存在であり、iモードがなければある意味、現在のスマートフォンも存在し得なかったと言われるほど、携帯電話やインターネットの業界に大きな影響を与えた存在でもあるのだ。

 それだけにiモードの端末出荷終了は、携帯電話の歴史における大きな転換点ともいえる大きな出来事なのである。

 

一般人にも分かりやすいインターネットサービス

 iモードが誕生したのは、今から20年近く前となる1999年。携帯電話の通信方式は当時、現在主流の「4G」の2世代前となる「2G」が主流で、通信速度も1Mbpsどころか、100kbps未満であるなど非常に遅く、携帯電話は通話をするものというのが常識だった。そんな時代に、携帯電話でインターネットを利用するサービスとして登場したのだから、iモードがいかに先駆的なサービスであったかが分かるだろう。

 この頃はインターネットの一般利用が急速に広まり、インターネットの存在そのものが大きな注目を集めていた時代だ。それゆえNTTドコモだけでなく、海外でも多くの企業がモバイルでのインターネット利用に取り組んだのだが、成功を収めたのはiモード、ひいては日本のみであったといっても過言ではない。海外ではiPhoneやAndroidなど、現在主流のスマートフォンが登場するまで、モバイルでのインターネット利用は全くといっていいほど広まらなかったのだ。

 ではなぜ、iモードは大きな成功を収めることができたのだろうか。… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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