ケータイ業界の最新動向に迫る(第25回)

「Apple Pay」は決済の世界をどう変えるのか

2016.12.02 Fri連載バックナンバー

 アップルが発売したiPhoneの新機種「iPhone 7/7 Plus」は、FeliCaが搭載されたことで、日本でもモバイル決済サービス「Apple Pay」(アップルペイ)が利用可能になった。この新機能をきっかけに大きな話題となっているが、先行してApple Payを展開している国の動向などを見ると、単に決済ができるようになっただけでは利用には繋がらない可能性があることも見えてくる。

 

iPhoneにFeliCaを搭載してApple Payが実現

 今年も例年通り、9月にiPhoneの最新モデルとなる「iPhone 7」と「iPhone 7 Plus」がアップルから発売された。両機種ともに新たに防水・防塵性能を備えたほか、iPhone 7 Plusには2つのカメラが搭載されるなど、新しい機能が追加されている。その一方で、イヤホンジャックが廃止されたことの是非など、今回の新iPhoneも発表直後から大きな話題を巻き起こした。

 その中でも日本で最も注目されたのは、iPhone 7/7 Plusが日本では公共交通や決済などで幅広く使われている非接触通信方式の「FeliCa」に対応したこと。そして、日本でアップルのモバイル決済サービス「Apple Pay」が開始されたことであろう。Apple Payは日本で言うところの「おサイフケータイ」と同様に、対応するリーダーに端末をかざすだけで決済ができる、アップル独自のモバイル決済サービスである。

 だがNFC(非接触型電子マネーカードで使用されている近距離無線通信規格・Near Field Communication)には、大きく分けて「NFC-A」「NFC-B」「NFC-F」の3つの通信規格が存在しており、日本以外の国で主に活用されているのは、NFC-AもしくはNFC-Bのみとなっている。一方、日本ではFeliCaに相当するNFC-Fが採用されているが、こういった国や地域は世界的に見ると少数派だ。それゆえApple Payも、従来は世界的に主流のNFC-A/Bのみを用いており、この方式の決済に対応するリーダーが極めてごく一部にしか存在していない日本に、上陸する可能性は低いとされていた。

 しかしながら今年、NFCの団体であるNFCフォーラムや、携帯電話の業界団体であるGSMAなどが、世界で発売する公共交通に対応する携帯電話に、今後NFC-Fも標準で採用することを決定した。そうした世界的な流れを受けてアップルはNFC-F、つまりFeliCaをiPhone 7/7 Plusに搭載し、日本でもFeliCaを用いたApple Payの展開に至ったと見られている。

 日本のApple Payで利用できるのは、JR東日本が展開する「Suica」、そして「iD」「QUICPay」の基盤を用いたクレジットカードによる決済サービスとなる。しかし、おサイフケータイで利用可能な… 続きを読む

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連載記事

「Apple Pay」は決済の世界をどう変えるのか
佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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