ケータイ業界の最新動向に迫る(第24回)

次世代の通信方式「5G」は、「LTE」と何が違うのか

2016.11.21 Mon連載バックナンバー

 現在主流のLTELTE-Advancedに続く、次世代のモバイル通信方式として標準化が進められている「5G」。10Gbpsの通信速度や、IoT(Internet of Things/さまざまなモノをインターネットに接続、制御する仕組みのこと)の普及に向け現在の100倍の接続数を目指すなど、一層の進化を遂げようとしている5Gだが、実現に至るには課題も少なからずあるようだ。

 

業界内で注目度が高まっている「5G」とは

 現在、多くの人が利用しているスマートフォンは、LTEもしくはLTE-Advancedに対応している。最近では、従来のものよりも高音質な音声通話を実現する「VoLTE」が利用できる、LTE対応のフィーチャーフォン(編集注・いわゆる「ガラケー」のこと)も増加傾向にあり、多くの端末がLTEやLTE-Advanced対応のものとなっている。

 それだけモバイルの世界で最も使われているLTEやLTE-Advancedといった通信方式は、モバイル通信の「第4世代」という意味を示す「4G」という名称で呼ばれることが多い。しかし厳密にいうなら4Gの対象となるのはLTE-Advancedのみであり、LTEは4Gに限りなく近い「3.9G」の通信方式なのだが、商業的にはどちらも一括りで「4G」と呼ばれることが多いようだ。

 その4Gに続く通信方式として、現在標準化が進められているのが「5G」、つまりLTE-Advancedの次の世代となる、「第5世代」の通信方式である。5Gに対しては現在、世界中の通信機器ベンダーや通信事業者などが高い関心を寄せており、今年2月に開催された世界最大級の携帯電話関連見本市「Mobile World Congress 2016」でも、5Gは大きなテーマとして注目されていた。

 しかしながら日本でNTTドコモがLTEによる通信サービス「Xi(クロッシィ)」を開始してから約6年、auがLTE-Advancedの要素技術である、2つ以上の異なる周波数帯の電波を束ねて高速化する「キャリアアグリゲーション」を採用してから約2年しか経過していない状況だ。フィーチャーフォンユーザーに至っては、現在も4Gの前の方式である「3G」の通信方式を使っていることが多いだろう。

 それだけに、次の世代の通信方式がどのようなものになり、何ができるようになるのかピンと来ない人も多いかもしれない。では実際のところ、5Gではどのような性能を目指しており、それによって何が実現できると見られているのだろうか。

 

10Gbpsの通信速度を実現、IoT時代にも対応

 5Gはまだ、携帯電話の通信方式の標準化団体「3GPP」によって実現に向けた標準化作業が進められている最中である。それゆえまだ定義が曖昧な部分もあるのだが、5Gの標準化に力を入れているNTTドコモが目指す目標性能を見ると、大きく5つの要素を実現するとしている。

 1つ目は通信速度の高速化だ。理論値でLTEの100倍を超える高速通信、つまり大体10Gbpsの通信速度を実現するとしている。2つ目は… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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