ケータイ業界の最新動向に迫る(第20回)

ケータイ3社の夏モデル、その戦略はどう変化した?

2016.09.21 Wed連載バックナンバー

 夏商戦に向けた大手3キャリアの新製品が今年も発表された。だが、各キャリアの端末戦略を見ると、スマートフォンの数を大幅に減らすキャリアがある一方、減らさないキャリアもあるなど、その傾向には大きな違いが見られるようになってきた。それぞれの戦略には、何が影響しているのだろうか。

 

機種数を大幅に減らしたNTTドコモ

 携帯電話キャリアにとって最大の商戦期は春であり、最近であればiPhoneの新製品が登場する秋も大きな商戦期として位置付けられている。だが、多くのスマートフォン新機種が登場するのは、主にボーナスシーズンを狙った夏と冬の商戦期である。そして今年も夏商戦に合わせて大手3キャリアが新製品を発表したのだが、その内容を見るとどうも例年とは傾向が異なっているようだ。

 中でも、特に大きな変化を見せたのがNTTドコモである。従来、NTTドコモは夏商戦に合わせて、スマートフォン新機種を7〜10機種は提供していた。しかしながら今年の夏モデルのスマートフォンを見ると、ソニーモバイルコミュニケーションズ、シャープ、サムスン電子、富士通、LGエレクトロニクスがそれぞれ1機種ずつ、計5機種のみと大幅に減少している。

 なぜここまで機種数を減らしているのかというと、従来は半年に1度ずつ投入していた端末シリーズを年に1回ずつの投入にして長く販売するよう、NTTドコモが大きく方針を転換したからである。

 NTTドコモに端末を提供しているメーカーの多くは、これまでハイエンドモデルとミドルクラスのモデル、2つのシリーズを半年に1度ずつ投入することが多かった。だが今年の場合、富士通を例として挙げると、夏モデルとしてはミドルクラスの「arrows SV F-03H」のみが投入されており、ハイエンドモデルの「arrows NX」シリーズは投入されていない。それゆえ、NTTドコモはF-03Hを1年通して販売するとともに、富士通のハイエンドモデル最新機種は冬・春商戦向けに投入するものと推測される。

 NTTドコモより機種数が少ないのがソフトバンクだ。ソフトバンクはNTTドコモよりも前に、各商戦期におけるAndroidスマートフォンの投入数を大幅に減らしている。今年の夏商戦でも、新たに投入されたスマートフォンは「Xperia X Performance」「AQUOS Xx3」「DIGNO F」の3機種のみだ。

 

背景にはスマートフォン進化停滞と実質0円販売禁止が

 これら2つのキャリアが機種数を減らす方向に向かっているのは、やはりスマートフォン自体の変化が大きく影響しているだろう。スマートフォンが進化途上だった頃は、その進化に合わせて次々と新機能が搭載されるなど、新機種に対するニーズが高かった。それゆえ、キャリアやメーカーの側も多くの機種数を揃え、旺盛なニーズに応える必要があったのだ。

 しかしながら現在、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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