ケータイ業界の最新動向に迫る(第14回)

今年の「学割」がデータ通信増量を提供する理由

2016.06.28 Tue連載バックナンバー

 毎年春商戦に実施される、大手キャリアの学生向け割引施策。これまでは基本料の割引に重点を置いた施策を実施してきたが、今年は高速データ通信容量の増量を主軸に据えるなど、その内容が大きく変化している。なぜ割引に主軸を置かない“学割”が提供されることとなったのだろうか。

 

“学割”なのにデータ通信の増量がメインに

 各社の夏の新製品やサービスが発表され、夏のボーナス商戦が本格化している昨今。だが携帯電話業界における最大の商戦期は、夏でも冬でもなく、春である。新入学シーズンである春は、学生が新たに携帯電話を持つことが増え、数少ない新規ユーザーの獲得機会であることから、各社が販売促進に力を入れ、競争が過熱する傾向にある。

 春商戦のターゲットは学生であることから、この時期大手キャリアは、学生を優遇した割引キャンペーン、つまり“学割”に力を入れている。これまでの各社の学割施策は、学生のうちの3年間など、一定期間、携帯電話の基本料が大幅に割り引かれるなど、文字通り料金の割引が施策の中心となっていた。

 だが今年、各キャリアの学割施策を見ると、その内容が従来とは大きく異なっているようだ。既に今年の学割キャンペーンは終わっているが、改めて各社の内容を振り返ってみると、明確なのは料金の割引よりも、データ通信容量の増量に重点を置いていたことが分かる。

 たとえば今年auが展開した「auの学割」の内容を見ると、25歳までの間、データ通信容量を毎月5GB分プレゼントすることを目玉に据えていた。データ定額サービスの「データ定額5」以上を契約した人に対して、毎月1,000円割引するなどの割引施策も用意されてはいるのだが、その期間が1〜3年(契約するプランによって異なる)と短いことを考えると、いかにデータ通信を重視した内容となっているかが分かるだろう。

 NTTドコモもソフトバンクも、プレゼントする容量や期間は異なるものの、やはりデータ通信容量のプレゼントを目玉として積極的にアピールしていた。通信容量のプレゼントは従来の学割キャンペーンにはなかったものだけに、突如それが学割の目玉となったことに、驚いた人も少なからずいるのではないだろうか。

 では一体、なぜ大手キャリアは今年の学割キャンペーンで、割引ではなく通信容量を重視した施策を打ち出したのだろうか。そこには、… 続きを読む

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佐野 正弘

佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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