ケータイ業界の最新動向に迫る(第12回)

格安SIMで注目のMVNOは本当に普及しているのか?

2016.06.01 Wed連載バックナンバー

 「格安SIM」「格安スマホ」などで注目を集め、今なお新しく参入する事業者が相次いでいるMVNO。だが実際のところ、MVNOはどの程度普及しているのだろうか。また今後MVNOの利用が広がる鍵はどこにあるだろうか。

 

拡大が進むが、大手キャリアを脅かすには至らない

 携帯電話業界で、ここ数年来大きく盛り上がっているのがMVNOだ。大手キャリアからネットワークを借りて通信サービスを提供するMVNOは、データ通信だけなら月額500円未満から、音声通話付きでも月額1,000円台から利用できる価格の安さが注目を集めている。しかも最近では、SIMフリースマートフォンのセット販売「格安スマホ」の広まりによって、一般ユーザーにも利用が広まりつつあるようだ。

 そうした勢いに乗って、MVNOとなって通信サービスを手掛ける事業者は急増している。既に200を超える事業者がMVNOとして通信事業に参入していると言われているが、メッセンジャーアプリで人気のLINEも今年3月にMVNOへの参入を表明し、LINEによるコミュニケーションには通信料がかからない通信サービス「LINEモバイル」のサービスを開始することを明らかにするなど、今でも参入事業者の拡大が続いているのだ。

 また昨年には、楽天の「楽天モバイル」が、サッカーの本田圭佑選手を起用したテレビCMを展開。さらに今年の5月には、「FREETEL(フリーテル)」ブランドでスマートフォンやMVNOによる通信サービスを提供するプラスワン・マーケティングが、モデル・女優の佐々木希さんを起用したテレビCMを放送。一般層への普及を図る取り組みも進められている。

 このように、MVNOの勢いは近年急拡大してきており、注目度も高まっている。しかし、どの程度MVNOのサービスを利用している人がいるのかというと、自分の周りではあまり多くない、というのが実情ではないだろうか。実際のところ、MVNOはどの程度利用者が増えているのだろうか。

 その動向を示す1つの指標として、総務省が3月16日に発表した、平成27年度第3四半期(12月末)の、電気通信サービスの契約数及びシェアを確認してみよう。これによると、MVNOサービスの契約数は昨年末時点で1,155万となっており、前年同期比29.0%増と順調に拡大していることが分かる。だが一方で、移動系通信の契約数に占める比率は7.2%で、伸びも前年同期比1.4%増に過ぎない。大手キャリアと比べてかなり少ない比率にとどまっていることが分かる。

 

MVNOの拡大を阻む企業体力の差

 MVNOのサービスを利用するユーザーは確かに増えているが、大手キャリアからユーザーを大きく奪って成長している訳ではないようだ。しかしなぜ、大手キャリアと比べ圧倒的に価格が安いにもかかわらず、MVNOの利用者が劇的に増えていないのだろうか。… 続きを読む

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佐野 正弘

ライター

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。著作:『Windows&iPhone連携テクニック Windows 8.1対応』(共著、インプレスジャパン)、『今すぐ使えるかんたんPLUS Androidアプリ 大事典』(共著、技術評論社)、『ポケット百科 Xperia arc 知りたいことがズバッとわかる本』(共著、翔泳社)など

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