小学校英語教科化で何が変わる!?(第1回)

小学校英語教科化で本当にグローバル人材は育つのか

2015.07.10 Fri連載バックナンバー

 グローバル人材の育成を目的に、2020年をめどに全面実施される予定の小学校英語教科化。現在「外国語活動」として行われている小学校での英語教育を正式な教科扱いとし、英語教育開始時期も前倒しして小学3年時より「外国語活動」を開始することが検討されています。

 しかし、本当に「小学校英語教科化」によってグローバル人材を育成することができるのでしょうか?今回は、文部科学省(以下、文科省)の発表している「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画(PDF)」(以下、実施計画)と「生徒の英語力向上推進プラン(PDF)」(以下、推進プラン)という2つの資料から「小学校英語教科化」によるグローバル人材育成の可能性を検証します。

 

非常に“明確な”数値目標の定められた政府方針

 現在政府が推進している英語教育改革では、非常に厳格な到達目標を定めています。2013(平成25)年12月に文部科学省が公表した実施計画では、2013(平成25)年から2017(平成29)年において中学卒業時点で英検3級程度以上、高校卒業時点で英検準2級~2級程度を達成した中高生の割合を50%以上にすることを掲げています。

 当然小学校英語教科化も上記目標と無関係ではなく、中学校及び高校において各目標を達成させることを前提とした教育が行われると予想されます。また教科化によって他教科同様に評価対象となる小学校での英語科目についても、中学・高校時点で上述の目標を達成することを目指した指導及び評価が行われることとなるでしょう。

 小学校英語教科化によって“明確に”評価されるようになるのは生徒だけではありません。教える側である先生方も、一定の基準に基づいて評価をされるようになります。

 文科相が2015(平成27)年6月に公表した推進プランでは、「(1)生徒の英語力に係る国の目標を踏まえた都道府県ごとの目標設定・公表を要請」、「(2)『英語教育実施状況調査』に基づく都道府県別の生徒の英語力の結果の公表」という2つの方針が明記されています。この方針により、各都道府県並びに各学校単位において目標の達成率などをもとに評価や改善要求が行われることになります。

 加えて実施計画では、中学校英語教諭について「※全ての英語科教員について、英検準1級、TOEFL iBT80点程度等以上の英語力を確保」することも示されています。小学校教諭については「小学校学級担任の英語指導力向上」としか示されてはいませんが、今後何らかの形で数値目標が定められると予想されています。

 

英語教科化でさらに“ブラック化”する小学校教育現場

 しかし、こうした数値目標を達成するための道のりは決して平坦とは言えません。… 続きを読む

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落合 純平

落合 純平

ライター

株式会社ネクストアド所属のライター。1988年生まれ、東京都大田区出身。大学在学中より、塾講師や家庭教師として教育業界に携わってきた。現在は教育コラムニストとして教育系コラムを執筆する他、ITコラム、企業のホワイトペーパーなどB2Bの記事を得意とする。http://www.nextad.co.jp/

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