世界的潮流「反転学習」から学ぶべき企業の人材教育(第2回)

優れたホワイトカラーの育成には「反転学習」が良い

2015.06.24 Wed連載バックナンバー

 いまいち覚えの悪い新卒社員に対し、「もう少し学校でちゃんと教えてくれよ……」という思いを抱いたことのある人は多いでしょう。ですが、簡単には教育の現場のせいにはできません。なぜなら教育現場では、もともと産業界が求める教育を行っていないからです。

 前回公開した「『使えない新卒社員が多い』は教育現場の責任か?」では、公教育(いわゆる一般的な学校教育)が、ブルーカラーの大量育成をコンセプトとした教育システムであり、現在の日本の産業界で求められているホワイトカラーの育成にはそもそも向いていないことを述べました。責任を公教育のせいにしても、それは根本的な解決にはならないのです。

 2回目の今回は、学校方式の教育「スクーリング」が、なぜホワイトカラーの教育に適していないか。そしていま産業界で求められるホワイトカラーを育成するにはどうすれば良いのか。深く掘り下げます。

 

スクーリングとは知識を脳へインストールするのに適したシステム

 スクーリングでホワイトカラーの研修を実施することの問題点とは、「インストールはできても、アウトプットができない」ことにあります。

 ホワイトカラーとは一言で言えば「考えてアウトプットすること」がその役割のひとつです。ところがそのホワイトカラーに対しスクーリング形式で研修を行うということは、研修時間を費やしてわざわざ「思考停止させる時間を作る」ことになるからです。

 スクーリングは「同じことを同じようにできるようにするため、等しく知識を伝授する」ことが主眼となっているシステムです。そのため、学校の授業は「(個々の視点や私見を踏まえず)受身で先生の授業を聞くこと」が中心となり、授業に集中するには、あれこれ考えることを中断する必要があるからです。

 パソコン用語を比喩的に用いて説明すると、スクーリングは知識や新しい情報を脳へインストールさせる場合に機能しますが、インストールされたアプリならぬ知識を元に考え、アウトプットさせることを主眼にしていないので、後者を目的とするならそれに適した教育方法を行う必要があるのです。

 ではどうすれば良いのか。そのヒントになるのが「反転学習(反転授業)」です。

 

あるYouTubeの動画を教師が見つけたことがはじまり

 北米で誕生した反転学習は日本のメディアでも取り上げられるようになってきましたが、簡単に説明します。反転学習とは、… 続きを読む

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相澤 幸広

相澤 幸広

ライター

教育分野を中心とした経営コンサルティング企業で経験を積んだ後、経営コンサルタントとして独立。企画立案やCSをテーマとした企業コンサルティングを行っている他、事業構想等を企画書としてまとめる企画ストラクチャー業務や、ビジネスマン向けの教材や講座開発等も手掛けている。趣味は映画鑑賞。

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