女性心理をつかんでビジネスチャンスを生み出せ(第2回)

女性向けライトノベルが出版不況を吹き飛ばす?

2015.04.29 Wed連載バックナンバー

 書籍全体が売上不振と言われ、閉店する出版社が増える一方で、女性向けのライトノベルのカテゴリに限っては、活況となっています。今回は、現在人気を集めている「女性向けライトノベル」のビジネスモデルについて紹介します。

 

なぜ? 女性向けライトノベル専門の文庫が続々創刊

 ライトノベルとは、簡単にいえば表紙や挿絵にコミック風のイラストが描かれた書籍のことを指します。 “ラノベ”と略される呼ばれることが多くなっています。

 ライトノベルはもともと中学・高校生向けの読みやすい内容のものが主流でした。しかし最近はその範囲が拡大し、携帯小説や漫画・アニメ・ゲームのノベライズや、ミステリーやホラーなど、大人も楽しめる作品が増えてきました。

 中でも女性向けライトノベルは好調です。たとえば大手出版社のKADOKAWAでは、角川ビーンズ文庫や角川ルビー文庫、ビーズログ文庫といった女性向けのライトノベルレーベルが既にあるにも関わらず、ブランドカンパニーの富士見書房より新レーベル「富士見L文庫」を2014年6月に創刊、女性向けライトノベル市場に力を入れています。

 また、1970年代から続く老舗の女性向け文庫レーベル「コバルト文庫」を構える集英社は、2015年1月に新しいレーベル「オレンジ文庫」を創刊しました。同文庫のホームページでは、ライトノベルではなく「ライト文芸」という言葉が使われていますが、作品の表紙や挿絵には少女マンガのようなイラストが使われているため、本稿では女性向けライトノベルのひとつとして見なします。

 このほか、新潮社からは「新潮社nex」(2014年9月創刊)、朝日新聞出版からは「朝日エアロ文庫」(2014年11月創刊)がスタート。白泉社からは、なんと時代小説専門のレーベル「招き猫文庫」が、2014年11月に創刊されました。

 上記は老舗出版社の例ですが、2000年代に設立された比較的新しい出版社「アルファポリス」も、女性向けライトノベルで成功している企業です。

 「レジーナブックス」などの女性向けライトノベルレーベルを持つ同社は、ネット上でライトノベル作品を公開し、読者の評価により書籍化するというビジネス展開を進めています。売上高は2011度年の6億円から、2014年度には20億円と数字を伸ばしており、2014年10月には東証マザーズに上場。“出版不況”の逆風もなんのその、好調な経営を続けています。

 

一度当たれば多展開が可能、ライトノベルのメディアミックス戦略

 なぜ出版社がここまで女性向けライトノベル市場に力を入れるでのしょうか。さまざまな要因が考えられますが、理由の1つに、ライトノベルは小説だけにはとどまらない“メディアミックス戦略”が展開できる点にあるでしょう。… 続きを読む

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Bizコンパス編集部

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