なぜ今も残る?京都花街の伝統的ビジネスシステム(第3回)

舞妓さんが京都花街の“最強コンテンツ”である理由

2015.01.21 Wed連載バックナンバー

 読者のみなさま、昨年に続き本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 私は年末にオランダはライデン市にある国立民族学博物館へ出かけてまいりました。同博物館は、シーボルトコレクションで日本にも知られており、ヨーロッパでも有数の歴史ある博物館です。なぜそこへ行ったのかと申しますと、そこでは今「GEISHA展」なるものが開催されておりまして、私が同博物館から依頼を受けて、昨年5月に京都で収録したインタビュー映像が流れているということで、それを確かめに参りました。

 連載の第3回目となる今回は、「京都花街における舞妓さんの人材育成と顧客価値創造」について取り上げます。後述しますが、この「GEISHA展」の内容のうち、特に私自身を含め花街関係者のインタビューで語られた内容のほとんどが、芸舞妓さんがどう育ってきたか、育ちつつあるか、あるいはどのように育てたかという話題でした。今回のテーマとかかわりが深いので、この「GEISHA展」の様子を交えつつ、話を進めてまいります。

 

ライデンの「GEISHA展」にて

 ライデンは、オランダの玄関口であるアムステルダムのスキポール空港から電車で20分ほど。運河が流れる落ち着いた風情の街でした。市内に大学があるせいで、クリスマス直前の街は若者たちでにぎわっておりました。

 「GEISHA展」では、京都花街の置屋のお母さんや芸舞妓さん、あるいは仕込みさんたちのインタビューや着物の着付け風景の映像、実際にマネキンに着せたたくさんの着物の展示、京都と東京にあった花街の歴史や関係する事物の展示が行われており、内容は多岐にわたっていました。訪れた日はクリスマス休暇も近い土曜日の朝、人影はまばらでしたが、やがて小さな子供を含む家族連れなどの観客が増えてきました。地元の人たちなのか観光客なのか分かりませんでしたが、彼ら彼女らに花街の世界はどう映っていたのでしょうか?

 会場の一角を占めたディスプレイに流されていた私のインタビューは、オランダ語と英語の字幕付きで、3分ほどに編集されていました。実際に京都の花街を着物姿で歩きながら撮ったその映像の中で、私は京都での舞妓と芸妓の役割について話を始めました。少し長くなりますが、部分的に英訳も付けて引用させていただきますので、お付き合いくださいませ。… 続きを読む

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西尾 久美子

西尾 久美子

京都女子大学現代社会学部教授

京都生まれの京都育ち。京都府立大学卒業後、民間企業勤務を経て、滋賀大学経済学部へ社会人入学。卒業後、神戸大学大学院経営学研究科博士課程へ進み、博士(経営学)を取得。京都女子大学現代社会学部准教授を経て、2013年より現職。著書『京都花街の経営学』(東洋経済新報社)『舞妓の言葉―京都花街、人育ての極意』(東洋経済新報社)『おもてなしの仕組み―京都花街に学ぶマネジメント』(中公文庫)。ホームページ『京都花街CMS』(http://kyotohanamachi.biz/)

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