世界史から学ぶ国際情勢(第4回)

なぜ日本料理は世界で人気なのか?

2015.01.20 Tue連載バックナンバー

 いまや世界のどの都市に行っても日本料理店がある。私は現在ラオスのビエンチャンに滞在しているが、日本人在住者がたった600人少々というこの町にも30を下らない店がある。

 そして2013年には無形文化遺産に「和食:日本人の伝統的な食文化 -正月を例として-」が登録。さらに近年の高級フレンチ、イタリアン、中華料理をいただいていると、世界の料理が懐石料理に近づいているとさえ思われる。

 今回はこうした日本料理の人気の秘密を追ってみたい。

 

世界に浸透する日本料理

 最初に日本料理店の市場規模を見てみよう。

 農林水産省が2013年に発表した「日本食・食文化の海外普及について(PDF)」によると、世界の日本料理店の数は2006年に約24,000軒、2010年に約30,000軒、2013年には55,000軒と急増中だ。市場規模は2009年に340兆円で、これが2020年までに倍増し、680兆円まで膨らむと見込まれている。

 では、日本料理は世界でどのように捉えられているのだろう?

 ジェトロ(日本貿易振興機構)が2013年に行った「日本食品に対する海外消費者意識アンケート調査(対象は中国、香港、台湾、韓国、米国、フランス、イタリアの2,800人)」によると、自国を除く好きな外国料理の第一位に日本料理(83.8%)が選ばれ、中華料理の65.0%、イタリア料理の59.5%、タイ料理の41.8%、韓国料理の39.4%、フランス料理の29.3%を大きく引き離す結果となった。

 日本料理店に行く理由としては、「味が好き」が25.4%で最多。これに「調理法が好き(13.7%)」「お店の雰囲気が好き、おしゃれ(11.8%)」「健康に良い(10.7%)」が続いている。

 好きな日本料理については、一位が寿司の9.2%で、刺身と焼き鳥が7.1%、天ぷら6.7%、ラーメン5.8%、うどん5.7%だ。

 日本、特に東京が世界最高のグルメ都市であることはミシュランガイドでも明らかで、2007年に日本ではじめて東京版が出版されると、星付き店の数は150店と、パリの64店に倍以上の差をつけて追い抜いてしまった。しかも掲載店の6割は日本料理店。ミシュランガイドの中でも日本料理店が大きな割合を占めることになり、その傾向は2015年も続いている。

 日本がこのようなグルメ大国であることについて、当時のミシュランガイド総責任者であるジャン・リュック・ナレ氏は、日本では寿司・焼き鳥・うどんなどの専門店がひしめいており、長い歴史をかけて磨き抜かれた点を挙げている。また、そもそも飲食店の数が圧倒的で、一説では当時のパリの飲食店数1万3,000軒に対して東京は16万軒という。

 

なぜ日本料理店が急増しているのか?

 日本料理店が世界的に急増している理由についてはさまざまな要因が挙げられる。… 続きを読む

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長谷川 大

長谷川 大

世界遺産&旅行ライター

横浜国立大学卒業後、出版社勤務。三国志・戦国時代・幕末・ギリシア神話など、歴史ものを中心に編集・ライティングを行う。世界一周の旅を経てフリーの編集者・ライターとして活動中。これまでの訪問国数は68か国、世界遺産は182か所。All About「世界遺産」公式ガイド。http://allabout.co.jp/gm/gt/563/

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