世界史から学ぶ国際情勢(第27回)

なぜハリウッドは世界の映画市場を席巻するのか?

2016.01.05 Tue連載バックナンバー

 2015年12月18日、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』が公開された。現在タイに滞在中の私もさっそく初日に見てきたが、12館を備えるシネマ・コンプレックスの半数で上映するなど、こちらでも上々の滑り出しだったようだ。

 2016年はこれまで以上にハリウッド映画の当たり年になりそうで、スター・ウォーズやハリー・ポッターのスピンオフ作品をはじめ、ファインディング・ニモ、インデペンデンス・デイ、バットマン、スーパーマン、X-MEN、キャプテン・アメリカ、スター・トレック、アリス・イン・ワンダーランド、猿の惑星といった、ヒットがすでに約束されている超大作の続編の公開が予定されている。

 どうしてハリウッドはこうも強いのか、その背景を追ってみたい。

 

世界の映画市場を独占するハリウッド映画

 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のオープニング週末の興行収入(入場料収入。以下、興収)について、配給元であるウォルト・ディズニーはアメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、ブラジルなど18か国で新記録を達成し、世界興収でも640億円と最高額を塗り替えたことを発表した。

 2014年の日本の年間興収は2,070億円なので、3日でこの30%以上を稼ぎ出したことになる。制作費も約240億円とケタ外れだが、興収はこれをはるかに超える驚異的な数字になっている。ちなみに、史上最高の興収記録を持つのは2009年公開の『アバター』で、3,350億円に及ぶ。

 その2014年に日本の興収でトップに立った『アナと雪の女王』は259.2億円を記録し、この1作で日本の年間興収の12.5%を創出した。これは2位の邦画『永遠の0』の87.6億円を3倍近く引き離す数字だ。『アナと雪の女王』は世界興収でも1,545億円と、2013年のトップを記録している。

 近年の世界興収トップ10はハリウッドがほぼ独占しているが、その2013年の場合、トップ10だけで1兆円を超える。この年の世界興収が約4兆円なので、映画市場の1/4を10作で稼いだことになる。この年、日本で公開された映画は1,117本、世界では5,000本を超える。

 年によって異なるが、観客動員数で見た場合、イギリスやドイツでハリウッドを中心とするアメリカ映画が占める割合は70~80%に達し、国産映画が比較的盛んな日本やフランスでも… 続きを読む

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長谷川 大

長谷川 大

世界遺産&旅行ライター

横浜国立大学卒業後、出版社勤務。三国志・戦国時代・幕末・ギリシア神話など、歴史ものを中心に編集・ライティングを行う。世界一周の旅を経てフリーの編集者・ライターとして活動中。これまでの訪問国数は68か国、世界遺産は182か所。All About「世界遺産」公式ガイド。http://allabout.co.jp/gm/gt/563/

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