世界史から学ぶ国際情勢(第2回)

なぜ中国で民主化デモや独立運動が起こるのか?

2014.12.17 Wed連載バックナンバー

 香港、台湾、新疆、内モンゴル、チベット等々、最近中国の民主化運動や独立運動のニュースをよく耳にする。

 いま中国で何が起こっているのだろう?

 これらを理解する基礎として、清の時代から現在に至る中国の歴史と思想を解説したい。

 

中国史上で最大版図を築いた大帝国・清

 殷・周・秦・漢・隋・唐・宋・元・明・清……高校世界史でおなじみ、中国の主な王朝名だ。「王朝」は同じ王家が支配する時代のことで、ウマイヤ朝やブルボン朝のような形で示される。イギリスのエリザベス2世はウィンザー朝の女王だが、仮に私が王位を継ぐと長谷川朝が誕生することになる。

 中国には上記以外にも多くの王家が存在したが、秦の王・政が最初の皇帝=始皇帝を名乗ってから清の時代まで、皇帝が権力の最高位となる。中国の場合、皇帝位を継ぐ王家が変わると国の名前が変わるため、○○朝という言い方はしない。

 そして一般に、国を治める君主を「王」と呼び、王をまとめる者を「皇」あるいは「皇帝」と呼ぶ。そして王の治める国が「王国」で、皇帝の治める国が「帝国」だ。

 中国歴代王朝の中で最大版図を築いたのが最後の王朝、清だ。清は明代の土地に加えて、東トルキスタン(現・新疆ウイグル自治区)、チベットと青海(現・チベット自治区、青海省)、内・外モンゴル(現・内モンゴル自治区、モンゴル国)、台湾、ロシア南部の一部を治め、史上空前の大帝国を築く。

 さらにベトナムのグエン朝、朝鮮半島の李氏朝鮮、沖縄の琉球王国、ミャンマーのタウングー朝などが清の皇帝に貢ぎ物を捧げる朝貢を行い、君臣関係を結ぶ冊封体制に入った。

 

列強に切り刻まれた清の国土

 ところが18世紀後半に清の支配が衰えると西欧の国々が次々と進出する。大きな転機となったのがアヘン戦争だ。… 続きを読む

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長谷川 大

長谷川 大

世界遺産&旅行ライター

横浜国立大学卒業後、出版社勤務。三国志・戦国時代・幕末・ギリシア神話など、歴史ものを中心に編集・ライティングを行う。世界一周の旅を経てフリーの編集者・ライターとして活動中。これまでの訪問国数は68か国、世界遺産は182か所。All About「世界遺産」公式ガイド。http://allabout.co.jp/gm/gt/563/

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