しのぎを削る自動車技術開発(第1回)

ディーゼルエンジン開発は新興市場攻略の鍵

2014.06.28 Sat連載バックナンバー

 トヨタ自動車や日産自動車、ホンダほか国内自動車メーカー8社と、経済産業省系の財団法人日本自動車研究所は、5月下旬、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど自動車エンジンの基盤技術を共同で研究開発する共同組織「自動車用内燃機関技術研究組合(AICE/Research Association of Automobile Internal Combustion Engines、アイス)」をスタートさせた。メーカーの枠を超えた共同開発の背景には何があるのか。

 

産学共同研究AICEスタート

 AICEに参画しているのは、トヨタ日産、ホンダの研究開発部門である本田技術研究所のほか、マツダ富士重工業三菱自動車工業スズキダイハツ工業の8社。メーカー側が自動車の燃費向上と排出ガスの低減に必要な内燃機関の燃焼技術や排出ガス低減技術の研究開発テーマを設定。このテーマに基づいて大学などの研究機関と共同で研究を実施する。

 なかでも最重要の開発目標は自動車エンジンの熱効率を高めることだ。現時点では非ハイブリッド車向けのガソリンエンジンが39% 弱、ハイブリッド車向けのガソリンエンジンでも40%前後、クリーンディーゼルエンジンで40数%となっているが、これらを2020年までに2010年比で50%台に高めることを目指す。あわせて二酸化炭素の排出量も2020年までに30%削減する考えだ。

 具体的な研究内容は、まず「ディーゼル後処理技術の高度化研究」だ。ディーゼルエンジンは燃焼時にPM2.5に代表される粒子状物質(PM)やNOx(窒素酸化物)が発生するため、これをEGR(排出ガス再循環)や触媒などの後処理装置で減らしている。この後処理の際に起こる現象をモデル化して処理の効率化を高めていく。

 続いて「自動車用内燃機関の燃焼技術の高度化研究」。エンジンの熱効率を高めようとするとノッキングやPMなどが発生しやすくなるが、この発生時の摩擦(フリクション)を低くするための基準の線引きを行う。

 このほか海外自動車メーカーのエンジン性能も調べる。燃費や排出ガス、エンジン部品の摩擦力測定が中心になるという。

 研究費用として2014年度は約10億円を予定。経済産業省からの補助事業費5億円と参加各社の拠出で賄う。今後数年間は同程度の事業費を見込んでいるという。… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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