クール・ジャパンの諸相(第2回)

KADOKAWA・DOWANGO誕生の衝撃

2014.06.18 Wed連載バックナンバー

 「クール・ジャパン」という言葉を旗頭に掲げ、日本で生まれた食やファッション、コンテンツなどが持つ魅力を、世界に知ってもらおうとする動きが活発になっている。昨年11月には官民出資の「クール・ジャパン機構(海外需要開拓支援機構)」も発足し、世界に向けて“メイド・イン・ジャパン“を売り出そうと国も企業も懸命だ。そうしたなか、ひと足先にクール・ジャパンの推進につながる活動や、現状把握につながる書籍などが登場。言葉がひとり歩きしている感もあるクール・ジャパンに対し、何が本当に必要かを諭している。

 

なぜ、ネット企業と出版社が組むのか

 5月14日、出版業界にちょっとした大風が吹いた。「角川書店」「アスキー・メディアワークス」といった出版部門をブランドカンパニーとして抱え、映像ソフト事業やゲーム事業なども展開するKADOKAWAと、インターネットの動画配信サービス「ニコニコ動画」などを持つドワンゴが、今年10月に経営統合すると発表。ドワンゴ側に優勢となっていた合併比率をとらえ、成長著しい新興ネット企業が「出版不況にあえぐ老舗出版社をのみこんだ」といった声も出た。

 この見方は半分正しい。ネットの普及や少子化の影響から、出版業界で書籍や雑誌の売り上げが減っているのは確かで、KADOKAWA傘下の出版物にも同様の影響が出ている。もっとも、そうした時代の流れを見越して、出版業界でどこよりも早く対策に取り組んできたのがKADOKAWAだった。

 一例が保有するコンテンツの拡充。老舗出版社の角川書店や系列の富士見書房、KADOKAWA会長の角川歴彦氏が興したメディアワークスを中核としていたグループに、パソコン関連出版社のアスキー、そのアスキーから分離し、ゲーム情報誌で最大手の「ファミ通」を刊行しているエンターブレインを吸収し、角川グループを形成して事業分野を広げてきた。

 

進むリアルとネットの融合

 そこに書籍情報誌「ダ・ヴィンチ」を刊行するメディアファクトリーも加えた角川グループは、昨年10月にKADOKAWAというひとつの会社の中に傘下の出版社を取り込んだ。狙いは、… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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