クール・ジャパンの諸相(第1回)

元経産官僚らが明かすクール・ジャパンの内幕

2014.06.17 Tue連載バックナンバー

 政府が旗を振り、大企業も加わって組織が立ち上がり、本格的に動き始めたクール・ジャパン戦略。数百億円もの資金が集まり、日本生まれのコンテンツやファッション、食文化、伝統工芸などを世界にアピールできると喜ぶ声が出る一方、現場を知らない国の主導では失敗するだけだと、冷めた見方をする人も少なくない。

 とりわけクール・ジャパンの核として期待される漫画やアニメーションといったポップカルチャーのファンやクリエイターには、国の“介入”を嫌ってシニカルなスタンスを取る人が目立つ。こんなことでクール・ジャパンはうまくいくのか。浮かぶ懸念に対し、プロジェクトを担当した元官僚が内幕を明かしている。

 

海外ではビッグニッチな日本アニメ

 経済産業省でクール・ジャパン政策に携わった元官僚で、現在は研究者として英オックスフォード大に在籍する三原龍太郎氏が4月に刊行した『クール・ジャパンはなぜ嫌われるのか 「熱狂」と「冷笑」を超えて』(中公新書クラレ)。タイトル自体がクール・ジャパンを持ち上げる国や企業、メディアと、懐疑的なファンやクリエイターの間にある認識のギャップをにじませている。

 日本のアニメや漫画が海外で大人気とメディアはあおるが、売れているのは「ポケットモンスター」や「NARUTO」といった一部作品に限られるという現実。長時間労働と低収入が常態化している制作現場の状況。こうした実状を見知ったファンやクリエイターは、夢を語る前にすべきことがあるとして、クール・ジャパンを批判する。

 三原氏は著書で、そうした現実を踏まえた上で実際にどれくらい、海外で日本のアニメや漫画が受容されているかを調べ、報告している。それによれば… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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