ITエレクトロニクスのトレンドに迫る(第1回)

3Dプリンターの可能性

2014.06.13 Fri連載バックナンバー

 香港出身の世界的なアクションスター、ジャッキー・チェンが主演して2013年4月に日本公開された映画「ライジング・ドラゴン」は、世界各地の“お宝”を持ち帰るトレジャー・ハンターたちの物語。その中で、清朝時代の中国から持ち出されたブロンズ像を取り戻したいという依頼に応えたジャッキーたちは、異国の屋敷に大切に飾られていたブロンズ像を、相手に盗まれたと気づかせないで持ち出すため、ある道具を使う。3Dプリンターだ。

 

拳銃密造の衝撃

 事前に持ち主と接触して、ブロンズ像を見せてもらったときに、こっそりと像の形状をスキャンする。そのデータを3Dプリンターに出力して模型を作り、屋敷に持ち込んで本物とすり替える。奪還成功。データさえあれば本物そっくりの複製を、短時間のうちに作れてしまう3Dプリンターの特徴が、やや誇張混じりながら映し出されたシーンの意味を、1年前の映画公開時に、どれだけの観客が気づいただろう。

 今なら分かる。5月8日には3Dプリンターを使って殺傷能力を持った拳銃を作った大学職員が、日本で初めて逮捕されて大きなニュースとなり、3Dプリンターというテクノロジーの存在が知れ渡った。アメリカで作成されたデータを日本でダウンロードし、個人で購入した3Dプリンターを使って拳銃を作ったというこの事件。装置とデータ、材料さえあれば誰でも、どれだけでも拳銃を製造できてしまう怖さに世間はおびえた。改めて「ライジング・ドラゴン」を見れば、3Dプリンターで美術品を贋作してひともうけできるかもしれないと考える人もいるかもしれない。

 しかし実際のところ、3Dプリンターを使って拳銃を大量生産することは難しい。… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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