世界のメイド・イン・ジャパン(第3回)

日本のアニメーションを世界が支援

2014.05.19 Mon連載バックナンバー

 今年2月、ドイツのベルリンで開かれた第64回ベルリン国際映画祭で、日本から出品された1本の短編アニメーション映画が上映された。「WONDER」というタイトルのその映画は、アニメーション作家の水江未来氏が、1秒分に相当する24枚の絵を毎日描き続け、これに彩色と撮影を行ってネット公開した365日分の映像をつなげて映画化したもの。細胞に似た不思議な物体が現れ、音楽に合わせて動き回りながら、どんどんと変形していく不思議な映像に観客は酔いしれた。

 

キックスターターで300人近くが支援

 上映が終わって、観客が拍手を送るなかで流れるエンドクレジットには、300人ほどの名前が並んでいた。クラウドファンディングと呼ばれる、不特定多数がネットを通じて資金を寄せる仕組みのひとつ「キックスターター」を通じて、「WONDER」の制作を支援した人たちだ。

 「WONDER」の制作を進める一方で水江監督は、この作品を最良の形で世界の映画祭へと出品し、世界の人たちに魅力をアピールするにはどうすればよいかを考え、映画祭への応募に必要なパッケージを作り、高品質の音響を乗せる費用を集めるとして「キックスターター」に登録。1万7,870ドルの支援を呼びかけたところ、目標を超える1万9,308ドルが集まったという。

 世界的な映画のひのき舞台に、日本のアニメーション作品が出品されること自体は珍しい話ではない。最近でもアメリカの第86回アカデミー賞に、宮崎駿監督の「風立ちぬ」や森田修平監督「九十九」がノミネートされている。水江監督自身も2011年のベネチア国際映画祭に「MODERN.No2」という作品で参加した経験がある。

 ただ、宮崎監督のような商業的な作品と違い、水江監督が手掛けるアート作品を思わせるインディペンデント・アニメーションを継続的に制作し、映画祭で評価を得るのは資金面で困難が伴う。まして海外の映画祭となると費用はさらにかさむ。

 そこに窓口として開かれたのが、「キックスターター」のようなクラウドファンディングの仕組みだった。これを利用すれば、… 続きを読む

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産経デジタル

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産経新聞グループ各媒体のウェブサイト運営、ポータルサイト・モバイル端末などへのニュースコンテンツなどの配信を手がけています。ウェブでも国内最大級のニュースサイト「MSN産経ニュース」などを運営する産経新聞グループの記者が「Bizコンパス」のために書き下ろした、ここでしか読めない記事です。

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