「ジョジョの奇妙な冒険」を考える(第6回)

克服するか我が物とするか-恐怖との戦い 終局-

2014.03.05 Wed連載バックナンバー

 2013年、連載25周年、荒木飛呂彦30周年を迎え、アニメにゲームに、世界中に波紋を起こした伝説の名作『ジョジョの奇妙な冒険』。未読でも山手線ジャックで眼にし、気になるッ方も多いだろう。意外と多い隠れジョジョファンと出会えば商談も、チームビルディングも成功か!?そこでBizコンパスも、七回にわたり、ジョジョの魅力に迫るッ!

 

女の系譜 -戦う家族愛の物語-

「あたしは…この『石の海』から自由になる…」

 第六部。ストーンオーシャン。

 そして、終局へと導く“彼女”の物語がはじまったッ。

 前回(「ジョジョの奇妙な冒険」を考える 第5回)、軽―く触れただけの“彼女”。GUCCIのショーウィンドウを、SPURの表紙を、それぞれ飾ったあのおだんご頭の“彼女”。彼女の名は「空条徐倫(くうじょうジョリーン)」。海洋学者の父の血を継ぎ、スタンド使いとして、そしてジョースター家の誇り高き一族として、確かな“系譜”に連なる第六のジョジョ。「やれやれだわ…」この言葉をわれわれは知っている。そして父は言うだろう。おてんば娘について。「やれやれ」と。

 だがジョジョの読者にとって、彼女を初の“女性”のように扱うことはちょっと違うんじゃあないかと思う。そう、『ジョジョの奇妙な冒険』は第一部から第五部までずっと、強く戦う女性たちに彩られた作品であり続けていた。それが徐倫にして初めて主人公となった、それがジョジョにおける女性。

 第一部では、ディオにズギューン!とされても誇りを失わず成長し、沈む船の中で産まれてくる子と見ず知らずの赤ん坊とを守るという「美しすぎる」行為を行いながら愛するジョナサンの最期をみとったエリナ・ペンドルトン あるいは エリナ・ジョースター。そして50年後には、喧噪のニューヨークにステッキ片手の肝っ玉ばあちゃんとして現れたのもまた、このエリナ・ジョースターだった。「きっちりやっつけなさい。ただし他の人に迷惑はかけないように」。紳士だったジョナサンの孫、ジョセフがあれほどまでにやんちゃで無礼でそれでいて誇り高く熱く心優しく育ったのはひとえにこのエリナゆえだと感じた。

 その第二部を通じ、主人公ジョセフを育て、見守り、共に戦ったのは「ごごご、ごじゅっさいってぇと…」なリサ・リサ。徹頭徹尾冷徹なその仮面の奥に秘めた使命感と愛。弟子との死別。カーズとの死闘。ウィンウィンウィン。石仮面、ヴェネツィアの仮面、そしてリサリサの仮面が二部を彩り、ジョナサンの運命を紡いでいった。いやそれだけでなく、あのスージーQも、エシディシの生命への妄執とも言える攻撃にさらされつつも、恐怖を乗り越え、そして……命を紡いだ。

 第三部のはじまりも、覚えているだろう。蘇った“あの男”に最初に狙われたのは、スージーQの娘にして、ジョースター家の血を受け継ぐ女性、ホリィ。母娘二代にわたって“寄生”されてしまうという数奇な運命であったが、再び彼女も、恐怖に耐えた。たとえ息子に、鬱陶しいぞこのアマッ!!扱いされても……。<参考:ジョースター家 家系図… 続きを読む

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藤井 行隆

藤井 行隆

 

天体観測とplaymobilをこよなく愛する39歳、『ジョジョ』の一読者。二部、五部、七部推し。荒木作品は『バオー』時代から。好きなキャラクターはナランチャ・ギルガ。特技は露伴ばりの執筆速度との噂。

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