「ジョジョの奇妙な冒険」を考える(第4回)

奇妙な「日常」、愉快な「日常」、不可解な「日常」

2014.02.05 Wed連載バックナンバー

 2013年、連載25周年、荒木飛呂彦30周年を迎え、アニメにゲームに、世界中に波紋を起こした伝説の名作『ジョジョの奇妙な冒険』。未読でも山手線ジャックで眼にし、気になるッ方も多いだろう。意外と多い隠れジョジョファンと出会えば商談も、チームビルディングも成功か!?そこでBizコンパスも、七回にわたり、ジョジョの魅力に迫るッ!

 

S市杜王町 ―とある郊外のベッドタウン―

 あなたは『ジョジョの奇妙な冒険』を読み始めた“巻数”を覚えているか?連載時でもよい、友達から借りてでもよい。実は一部から読んだわけではないんじゃぁないか、そんな読者も多いだろう。これから手に取るあなたも、きっかけ次第ではこの四部から読み始めることになるかもしれない。それもいい。だが言っておこう。第四部は、控えめに見積もって、トマス・ピンチョンよりも、怪しい。

 学ラン……なのは第三部もそうだった。ちょっと不思議な血縁関係……これもそうだ。ここ日本を舞台に始まる物語……やっぱり同じだ。連綿と繋がる血と因縁と生命の物語。しかしッ!S市杜王町は、ひとつの切り取られた世界、切り取られた奇妙(ビザール)な日常だった。

 『ジョジョの奇妙な冒険』が時代と世代を超え、多くの読者に長く愛されてきた理由として、少年漫画が陥りがちだった強さのインフレーションと世界観のエスカレーションを巧みに避けてきたことがあげられることがある。つまり、連載が続くにつれて敵の強さが幾何級数的に上昇し、初期のキャラの存在感がかすんだり、後半には主人公がありえない強さを持ったり、といった、あの連鎖。対して『ジョジョ』は、「第○部」という構成を採ることで、各部を連続させながらも断絶させ、舞台設定、時代、キャラクターの個性、そして強敵を、多様でありつつもある一定の水準に保つことで、大人も納得するリアリティを紡ぎだしてきた。物語を貫く「血脈」という連続性と作品構成上の断続性との二重螺旋が、『ジョジョ』のDNAであった。… 続きを読む

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藤井 行隆

藤井 行隆

 

天体観測とplaymobilをこよなく愛する39歳、『ジョジョ』の一読者。二部、五部、七部推し。荒木作品は『バオー』時代から。好きなキャラクターはナランチャ・ギルガ。特技は露伴ばりの執筆速度との噂。

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