「ジョジョの奇妙な冒険」を考える(第1回)

「悪」の系譜、ホラーの系譜-はじまりの人間賛歌-

2013.12.25 Wed連載バックナンバー

 2013年、連載25周年、荒木飛呂彦30周年を迎え、アニメにゲームに、世界中に波紋を起こした伝説の名作『ジョジョの奇妙な冒険』。未読でも山手線ジャックで眼にし、気になるッ方も多いだろう。意外と多い隠れジョジョファンと出会えば商談も、チームビルディングも成功か!?そこでBizコンパスも、七回にわたり、ジョジョの魅力に迫るッ!

 

原点 - ディオ・ブランドー

「おれは人間をやめるぞ!ジョジョ―ッ!!」

 これほどまでに空寒く、それでいてどこか小気味よいセリフを言ってのけたアンチヒーローがいただろうか。やがて続く物語のある意味、最大の伏線とも、予兆とも言えるこのセリフ。老いや死を超克し、時間の制約を超え、やがては「天国」を目指すという一連の悪の物語の、原点にして本質。「おれは人間をやめるぞ!」当時中学生だった私にもわかる、それでいて今40歳を目前にしてさらに感じ入る、人間の弱さや脆さを熟知し憎み、しかし同時にそれを恐れ愛し苦悶する魂の叫びとも、驕慢と自信の宣戦布告とも、とれる、アンビバレントにして強烈な一言。

 こうして、長く偽りの仮面の下で虎視眈々とジョースター家乗っ取りをたくらんできたこの「悪」は、謎の石仮面の力を使い、人ならざるものへと堕ちていく。そう、闇に生きる、吸血鬼へと。

 失礼。少々先走ってしまったようだ。そう、『ジョジョの奇妙な冒険』第一部、後に『ファントム・ブラッド』と呼ばれる始まりの物語の悪の主人公、ディオ・ブランドーだ。ディオは知らなくとも「ズギューン!!」は知っている紳士淑女の皆さんも多いだろう。「URYYY!!!」を聞かずにこの国で過ごすことは永遠の若さを手に入れるよりも困難だからだ。… 続きを読む

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藤井 行隆

藤井 行隆

 

天体観測とplaymobilをこよなく愛する39歳、『ジョジョ』の一読者。二部、五部、七部推し。荒木作品は『バオー』時代から。好きなキャラクターはナランチャ・ギルガ。特技は露伴ばりの執筆速度との噂。

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