部下は上司の「ココ」を見ている

「この書類、手の空いた時に頼む」で部下は傷つく

2017.11.28 Tue連載バックナンバー

部下への配慮が却って悪い結果を生む

 管理職として、部下に「セクハラ、パワハラ」と言われないよう、細部に気を配り、きちんとマネジメントできているつもりなのに、部下がひとり、またひとりと心因的な理由で休んだり、辞めたりしていく……そんな経験を持つ方もいるかもしれません。

 私は仕事柄、部下の立場の方からよく相談を受けますが、上司のちょっとした一言で、必要以上に傷つき落ち込んでしまうことがよくあるようです。たとえばある人が、上司から「この書類、手の空いた時に頼むよ」という指示を受けたものの、忙しいので手を付けないでいたら怒られてしまい、心理的に傷ついてしまったといいます。

 このやりとりの何に問題があるのでしょうか。結論をいえば、これはハラスメント案件ではなく、単にコミュニケーション不全の一例です。

 この場合、上司にも言い分があり、「同じ部署で仕事をしているのだから、書類を見れば、次の会議で使用することがわかるだろう」という前提で、忙しそうな部下に対し「手の空いた時でよい」と声掛けしているのです。決して部下を困らせようと思っているわけではなく、むしろ配慮しているつもりなのです。

 一方で部下側は、その書類を作ることに裁量がないため、何をどう優先すべきか判断がつきません。今取り掛かっている仕事に時間がかかりそうであるならば、上司に対し期限を確認するなど配慮を見せるという手段もありますが、「手の空いた時」という言葉を真に受けて、そのまま放置してしまいました。

 こうしたコミュニケーション不全は、上司側、部下側双方に問題がありますが、今回はまずは上司が、管理職としてどのように部下に関るべきかを紹介します。

 

指示は言葉に出して明確に。曖昧表現はNG

 部下に理不尽だと思われ、ストレスを与えてしまう原因のひとつに、上司と部下の認識のズレが挙げられます。それを防ぐためにも、上司が行う指示や指導は、明確で具体的な表現をする必要があります。

 冒頭のケースでも、上司から一言、「… 続きを読む

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大野 萌子

大野 萌子

一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ(R)資格認定機関)代表理事、企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメント、ハラスメントの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関等で年間100件以上の講演・研修を行う。著書、メディア出演多数。

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