クレーマーの心をつかめ~言葉の裏の本音を読む~(第4回)

「クレームが生き甲斐」な人たちへの対抗手段とは

2017.12.03 Sun連載バックナンバー

 企業のコールセンターや相談センターに寄せられるクレーム電話(苦情電話)には、「商品苦情」「対応苦情」「コンプライアンス苦情」などいくつもの種類があります。大半は何らかの「問題解決」を目的とした「一部の理」はあるものですが、中にはクレーム行為自体を目的とした純然たるクレームも存在します。

 

「企業を上から目線で叱りたい」という人たちがいる

 筆者の勤務していたメーカーの相談センターは、全国から1日に700から1,000本の問い合わせが入り、そのうちの約1割が苦情でした。

 苦情の大半は、製品の性能や故障に関すること、メーカー系販売店の接客苦情や説明不足による勘違いです。どんな内容であっても、そうした苦情には一部の理はあるものです。そのため職場では「クレーム」という言葉を使わず「ご指摘」と呼んでいました。

 しかしまれに、一部の理もない苦情も存在します。それは、「企業を上から目線で叱りつける快感」を目的とした苦情です。

 「有名なメーカー企業を上から目線で叱り飛ばしたい」「電話対応の女性をからかいたい、いじめたい」「社会正義の代弁者として権力から庇護されている大企業と戦う自分に陶酔したい」といったような動機が渾然一体となり、たまたま目にしたコマーシャルや日常で見た製品などが引き金となって、クレーム電話に発展するのです。

 これは社会学や動物生態学でいうところの「マウンティング」です。マウンティングとは社会において相手より自分が上位であることを示す示威行為のことです。サル社会の研究からできた言葉ですが、学校や企業の中、商取引の現場等でも頻繁に見られる行為です。

 この手のクレーマーは、経験上、定年退職後の高齢者が多い傾向にあります。職場というマウンティングの場を失った彼らが、電話の向こうの企業に攻撃対象を変えたわけです。

 

オペレーターはどうやってクレーマーを“迎撃”するのか?… 続きを読む

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栗林元

栗林元

作家・ライター

コールセンター勤務経験を持つライター。広告会社で営業14年、WEB・イベント等のディレクター職を12年経験。その傍ら、平成3年に小説「神様の立候補」で第二回ビジネスストーリー大賞(テレビ東京主催/日本経済新聞講演)佳作入選。現在は、ライター・作家として活動中。近著は本年3月にAmazonから電子書籍で小説「人生はボンクラ映画」をリリース。

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