クレーマーの心をつかめ~言葉の裏の本音を読む~(第3回)

コールセンターでは「指示」が命取りになる

2017.10.02 Mon連載バックナンバー

 コールセンターでのコミュニケーションは、顧客とオペレーターとの間だけではありません。SV(スーパーバイザー)が、オペレーターに対しどのように指示を出すのかも重要な要素となります。

 本記事では、コールセンターで実際に起きた事例をもとに、どのように「指示」や「教育」を行うべきかを考えます。

 

説明不足の指示が招いたトラブル

 SVと、実際に顧客のコールに対応するオペレーターとの意識がズレていると、コールセンターはトラブルを解決するどころか、トラブルを生み出してしまいます。以下、自動車メーカーのコールセンターで実際にあった例を紹介します。

 ある自動車メーカーのコールセンターに、苦情の電話がかかってきました。「たとえ中古車とはいえ、人の命を預かる商品だ。メーカーが修理費用を負担すべきだろう」という、無償修理を求めるクレームです。

 このコールに対し、新人の苦情担当者が対応をし、ベテランのSVがモニターを担当します。クレーマーと苦情担当者の会話の内容をSVが聞き、クレーマー側に聞こえないよう、苦情担当者にどのような対応をすべきか具体的な指示を出す、という図式です。

苦情担当者「すでに保証継承もされていない中古車ですので、それはちょっと……」
クレーマー「自動車は普通の商品とは違う。保証期間を理由に逃げようとしてもそうはいかんぞ」
苦情担当者「中古でご購入ですから、メーカーの保証そのものがありません。ですので、無償は……」

 苦情担当者はクレーマーの剣幕に配慮しつつ対応していますが、どっちつかずの曖昧な対応を取ってしまい、対応に時間がかかっています。

 そこでSVが、苦情担当者に対し「そこは、きっぱり断って」と指示をしました。すると苦情担当者は、… 続きを読む

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栗林元

栗林元

作家・ライター

コールセンター勤務経験を持つライター。広告会社で営業14年、WEB・イベント等のディレクター職を12年経験。その傍ら、平成3年に小説「神様の立候補」で第二回ビジネスストーリー大賞(テレビ東京主催/日本経済新聞講演)佳作入選。現在は、ライター・作家として活動中。近著は本年3月にAmazonから電子書籍で小説「人生はボンクラ映画」をリリース。

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