不安やストレスに負けない感情のコントロール術

“折れない心”を育てる「レジリエンス」とは

2017.03.31 Fri連載バックナンバー

 ビジネスリーダーの立場は辛いものです。経営上の難題を押し付けられたり、部下のマネジメントによるストレスなど、負の感情が多く生まれがちです。市場変化が激しく、先の読めない今の時代は特に、心が折れそうになる場面も少なくないでしょう。

 そんなときのために備えておきたいのが、「レジリエンス」という、感情をコントロールする考え方です。苦境に陥り、「頑張らなければ」と心を硬くし続けると、ある日、負荷に耐えきれなくなった硬い心が“折れる”ことがあります。

 折れた心を回復するのは容易ではありませんし、回復したように見えても“折れ癖”がつくこともあります。次々と起こる出来事に心が折れ続けてしまっては、マネージャー自身のメンタルヘルスへの影響も懸念されます。そこで、新たな心の持ちようとして注目されている“感情コントロール術”がレジリエンスなのです。

 

「歪みを跳ね返す力」がレジリエンス

 『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 実践版「レジリエンス・トレーニング」』(SBクリエイティブ刊)など、レジリエンスに関する著作を残している久世浩司氏によれば、レジリエンスとは、「逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス」を指します。

 ストレスに対して「頑張って強くあらねば」と気持ちを強く持つのは、気持ちの“硬さ”を上げて対処するアプローチです。一方、レジリエンスというアプローチは、ストレスをしなやかにかわす“やわらかさ”で不安や逆境を乗り越えるという考え方です。

 レジリエンスという言葉は、もとをたどれば「ストレス」と対義語として物理学で使われていました。ストレスの意味が「物体に圧力を加えることによって生じる歪み」であったのに対して、レジリエンスの意味は「歪みを跳ね返す力」です。

 レジリエンスは“打たれ強さ”と解釈されることもあります。しかし、それは打たれてもビクともしない“頑強さ”ではなく、打たれたら一度は凹むかもしれないけれど元のように復元する、あるいはその圧力(ストレス)をスッとかわして直撃を避けていくという“柔軟性”です。柔軟な姿勢で逆境を乗り越えるのが、レジリエンスなのです。

 

逆境でストレスをかわすレジリエンス5つの秘訣

 レジリエンスという概念は、日常生活でのストレスへの対処にも活用することができます。数年前にNHK「クローズアップ現代」で紹介されたこともあり、学校の授業や企業の研修でも、レジリエンスによるメンタルトレーニングを採用するところが増えてきています。

 このNHKの番組では、心を折れにくくするために重要な、5つの心の持ち方を挙げていました。その5つとは、(1)自分で感情をコントロールすることができる、(2)… 続きを読む

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川口 十子

川口 十子

出版社勤務を経て、フリーランスのライター・校正者として活動中。ビジネスジャンルを中心に、ビジネス書から女性向け記事まで幅広いジャンルで執筆・校正を行っている。

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