短時間労働の国・スウェーデンに学ぶ生産性向上術(第2回)

スウェーデン初の6時間勤務導入は日本企業!?

2017.02.21 Tue連載バックナンバー

 日本では現在、長時間労働の是正が必須の課題となっていますが、スウェーデンではすでに短時間労働が定着しています。最近では「6時間勤務」の導入が進むほどです。

 この6時間勤務制を最初に導入したのは、なんと日本の企業でした。スウェーデンの南部にあるヨーテボリ市にある日本の自動車メーカー、トヨタのサービスセンターが始めたものです。

 今回は、同センターの取組みを紹介するとともに、スウェーデンで広がりつつある6時間勤務の課題について考察します。

 

6時間勤務体制で生産性、利益率がアップ、離職率も改善

 ヨーテボリ市は、首都ストックホルムから約1時間のところにある、スウェーデン第2の都市です。自動車メーカー、ボルボの本拠地があることでも知られています。

 そのヨーテボリ市に、2002年に6時間勤務制を導入したことで注目を集めた、トヨタのサービスセンターがあります。現在も36人の作業員が働いています

 同センターの労働時間は、従来は午前7時から午後4時までの8時間勤務制でした。しかし、従業員にかかるストレスが大きく、現場でのミスが多発しており、顧客からのクレームも多く、労働環境の改善が重要課題でした。

 このような事態を改善するために取り入れられたのが、「1日6時間勤務のシフト制(six-hour workday)」です。「週30時間労働(30-hour week)」とも呼ばれます。

 同センターでは、午前と午後の2種類のシフトから選ぶことができます。午前6時から正午までの午前のシフトと、正午から午後6時までの午後のシフトです。休憩時間は短くなりましたが、従業員の給与は以前と変わりません。

 同センターによれば、6時間シフト制により、多くの効果がもたらされているといいます。従業員の健康が改善され、生産性が向上し、利益率も25%増加したというデータがあります。さらに、従業員が家族と過ごす時間が長くなり、通勤ラッシュに巻きこまれることも無くなったため、従業員のワークライフバランスが大幅に向上したといいます。

 最大の効果は、… 続きを読む

全文(続き)を読む

続きを読むにはログインが必要です。

まだ会員でない方は、会員登録(無料)いただくと、続きが読めます。

田中 靖子

田中 靖子

法律家ライター

東京大学卒業後、2009年に司法試験に合格。弁護士として知的財産業務、会社設立等のビジネス関連の業務を扱う。現在は海外に在住し、法律関連の執筆や講演を行っている。

このページの先頭へ
Bizコンパス公式Facebook Bizコンパス公式Twitter